1日3食派、それとも1食派 ? さて判定は-
(2012.10.19) たまには、こういうヒマダネもいいのではないか。「AERA(アエラ)」の10月22日号におもしろい健康記事( 写真 )が出ていた。
1日夕1食。それも量は腹6分目。肉は食べない。空腹が人を健康にする
という今話題のイケメン南雲吉則医師の「若く見える」体験的健康法がいいのか。
それとも、従来よく言われている
1日3食、バランスよく好きなものを食べて「若返る」健康法、小太りが一番長生きする
という美容外科や長寿食事法で知られる高須克弥医師の健康法が、いいのか。高須さんは、1日1食は絶対にやめてと、件の新著( 写真下 )で訴えている。この本のまえがきにもあるが、「食べたいものを好きなだけ食べる」健康法といってもいいだろう。
3人の医師に第三者の立場で判定してもらおうという企画である。
結論を先に言えば、南雲さんには悪いが、「1日1食+晩酌」派のブログ子が思うに、食べることを制限する「食べない」健康法は、いかに正しくても、よほどの強制力が働かない限り、その実践が伴わず、成功はしないということだ。南雲さんのような意識や知的レベルの高い人だけに有効な方法なのだ。俗人には到底無理。アメリカの禁酒法が長続きしなかったように、この健康法は、人間は聖人ではないということを忘れている。三日坊主の仏様健康法なのだ。
これに対し、「好きなだけ食べる」高須健康法は、若返るかどうかは別にして、人間の欲望に沿ったものであり、たとえそれが多少いかがわしくても、長続きする。結果的に多くの人に効果がある。好きなものをバランスよく食べればいいというだけなら、バランスはともかく、俗人にもできる。世の中に小太りが多いというのも、この楽チン健康法のせいなのだ。何を食べてもいいと言ってほしい人のための健康法だから、バランスの取り方をあれこれアドバイスしさえすれば、あらかた効果がある。
もっとも、命は短くてもいいから「若く見せたい」健康人生がいいのか、小太りでかっこ悪くても若返って長生きするのがいいのか、それはその人の生き方の選択だろう。
ブログ子の人生観は、若く見えなくてもいい、若返らなくてもいい、その代わり、毎日ときめきのある暮らしがしたいというもの。
さて、結論は出たが、3人の判定人のさまざまな項目ごとの評価は、おおむね、半々で、なかなか勝負はつきそうにない。
ただ、ひとつ、
肉は食べない
というのは、3人の判定人ともに、ダメ出しをしていた。菜食主義者にはショックだろう。
乳腺外科医の南雲さんが、肉は食べないというのは、
食べると乳がんになりやすい
というのが理由らしい。専門家らしい判断だ。
一方で、肉を食べないと、脳卒中になりやすいという病因統計があるらしい。肉を食べると、血管に弾力性が生まれる。脳内出血や脳梗塞になりにくくなるという。
酒やビールの効用については、両医師ともに少量ならいい、少なくとも否定はしていない。度をこさなければ薬というわけだろう。
このように個々の項目では勝ち負けがあったものの、それらを総合した最終判定は記事ではどちらに軍配が上がったかは、不分明。考えてみれば、これは当たり前で、だれにでも当てはまる決定版健康法などあるはずもないのだ( 補遺 )。
食事は、家族などとおしゃべりしながら、とること
1日1回は大笑いすること
食事だけでなく、精神的な喜びやときめきが必要なこと
である。若く見えたり、若返るには、やはり、ときめきが必要なのだ。
まとめると、1日1食にしろ、3食にしろ、男も女も1日1回笑って、好きななんとかビール
というのが、3判定人の最大公約数的な推奨健康法なのだろう。
この記事を読んで、たった一つ、確かなことを発見した。年を取ったのに、ときめきもなく、苦虫をかみつぶして男は黙って何とかビールというのが一番体に悪い、という事実だ。
補遺
決定版食事健康法などないことを物語るいい例が、「プレジデント」2012年11月12号の
後悔トップ20、シニア1000人調査。
健康についてのトップは、
歯の定期健康検診を受けていればよかった
という意外なもの。1食派にしろ、3食派にしろ、歯が弱いようでは話にならないという結果が出ている。ブログ子の尊敬する今年101歳の日野原重明医師(内科医、文化勲章受章者)は、歯が悪いと、食事ができなくなるばかりか、歯周病になり、その菌が血液を経て万病のもとの糖尿病になり、手の打ちようがなくなるとこの記事で指摘している。
仕事と人間関係の項目では
仕事を離れても、一生続けられる趣味を持てばよかった
という後悔。食事うんぬんだけでは、しょせん人間、健康なんて保てない。その意味では、南雲さんも、高須さんも、いい加減にしておきなさいよ、ということになろう。
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