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2016年9月

ボランティアによるアフリカ支援  ------  今、何が問題なのか

(2016.09.06)  はやいもので、リオ五輪が終わって2週間がたつ。最終日、小雨の中を各国選手がひた走る花形、マラソンをいまも思い出す。ケニアのキプチョゲ選手が2位を1分以上引き離して優勝、堂々たる金メダルである。

 ● リオ五輪、その華やかさの影で

 2位の銀メダルは、手を高く振り上げながら、というよりもフラフラになっているような姿のエチオピア、リレサ選手だった。さすが、アフリカ勢はマラソンが強いとブログ子は感心した。ところが、

 9月5日付きの地元紙、静岡新聞「核心/核論」

 競技者の覚悟 信念貫いて圧政に抗議

という論説コラムを読んでびっくりした。なんと、英雄になるはずのリレサ選手、選手団の帰国便にはその姿はなく、エチオピア政府の圧政に抗議し、米国に亡命を希望しているのだという。リレサ選手、なにもフラフラになってゴールしたのではない。記事によると、政府への抗議の印として「額の前で両手を交差させるポーズをしながらゴールした」。何に抗議したかと言うと「土地の強制収用を巡り政府への抗議デモが活発化」「90人以上が治安部隊に殺害された」ことに対してらしい。

 ● 信頼にこたえ骨埋める覚悟

 Imgp0071 アフリカの多くの国々は、それぞれに難問や内戦、混乱、腐敗がはびこっている。日本でも、アフリカ支援は喫緊の課題である。

 しかし、JICA(国際協力機構)のシニアボランテイアとしてエチオピアに2年間赴いた辻野兼範さん(浜松市、写真左)によると、

 ボランテイアによるアフリカ支援、たとえばエチオピア支援の現状は、

 場当たり的な短期バラマキ型であり、その支援効果はずいぶんと疑わしい

と先日の派遣報告会で具体的に話してくれた。真の自立のための支援には

 現地の信頼にこたえ骨を埋める覚悟と、日本政府、具体的にはJICAの長期的な援助戦略こそが必要

と訴えていた。

 先日ケニアで開かれた日本が主導するアフリカ開発会議では支援額のことばかりが話題になった。しかし、今、必要なのは、圧政を終わらせ、現地民衆が自覚的に自立に向かうためには、この覚悟と戦略がボランティアや日本政府に求められるのだと辻野さんは強調した。

 ● 「もう一度、エチオピアに行きたい」

 強力な援助が、かえってますます圧政強化に手を貸す結果になってはなるまい。そうならないための自立の第一歩は、継続的で、有効な教育を支援すること。

 現地の教育現場をつぶさに体験してきた元高校教諭の真剣なまなざしから、そんなシニアの熱き憤りを感じた。

 「もう一度、エチオピアに行きたい」

 インタビューを終えた彼の別れ際の言葉だった。

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