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逃げろや、逃げろ             ------ あの池波正太郎「真田」を超えられるか

(2016.01.16)  原作・脚本が人気の三谷幸喜さんだというので、今年のNHK大河ドラマ「真田丸」の初回放送を楽しみにして拝見した。そして、

 「これなら、面白さで池波正太郎さん原作のかつてのNHK大型時代劇ドラマ『真田太平記』を超えるかもしれない」

と感心した。なにしろ、冒頭は、主人公、幸村を演じる堺雅人がほおかぶりをして、紛れ込んだ徳川陣営から馬を盗んで脱兎の如く逃げるというシーンから始まるのには、びっくりした。

  まるで、次の秘策に向け、今は弱者にとって、

 退却こそ最善の策

といっているかのようだ。うがった言い方だが、日本人お得意の勇ましく玉砕することへの批判もユーモラスに込められているように思えた。

Image2260  週刊朝日に連載された池波さんの原作『真田太平記』(写真左=全16巻)は1970年代のものであり、ドラマ化されたのも今から25年以上も前、平成に入ってまもないころ。この時代劇ドラマでは、幸村役は、今回は父、昌幸役で出ている草刈正雄さんだった。そのほか、渡瀬恒彦、丹波哲郎さんも出演していた。たしか、榎木孝明、遥くらら、長門裕之さんたちも出ていたと思う。

 池波さんの原作の冒頭「春の雪崩」は

 「明日は、お前、死ぬる身じゃな」

 急に、女のささやきが聞こえた。

という織田信長軍に包囲された武田方の重要拠点、高遠城の落城前夜のシーンから始まる(1582年3月)。

 なんと、今回もほぼ同じ、この時期の武田軍(勝頼)敗走シーンから始まる。いきなり危機的な状況からの真田家の「船出」であり、いかに真田家が終始、緊張を強いられながら戦国の世を決断力で生き抜いてきたかを、見事に演出していた。

 ● 視聴率の「倍返し」も

 これなら、堺雅人が演じたあの半沢直樹ドラマの台詞ではないが、前回の振るわなかった大河ドラマの視聴率も

 「倍返しで、年間平均20%超ははやくも見えてきた」

といえそうだ。池波「真田」と比較しながら拝見すれば、この一年、歴史好きのブログ子としてもおもしろいドラマが楽しめそうだ。

 池波「真田」の一つの視点は、

 「忍び」

に光を当てていることだが、三谷「真田」では、これに対しどう出るかも、楽しみである。

 なかなか史料発掘がむずかしい「忍び」については、その研究をこの5、6年続けている静岡文芸大の歴史家、磯田道史さんの登場もなんらかの形であるかもしれないし、登場してほしいとも思う。

 それはあとのお楽しみとして、池波「真田」と三谷「真田」をこの一年、比較しながら番組を見てみたい。

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