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生物進化が教えてくれるダーウィン工学 

(2016.01.07) 蚊の血を吸うくちばしが痛くない注射針に、カイコが口から引っ張り出す絹糸で人工血管を、トンボの羽のデコボコ構造を微風でもOKの風力発電のプロペラに-というように数億年をかけてつくりあげてきた生物の体のつくりを真似た先端技術について、先日

 夢のムシ技術

として、NHK番組で放送されていた。自然に適応して進化してきた生物のやり方を模倣する技術の紹介なのだが、まだある。針山孝彦さん(浜松医科大学教授)は

 フナムシの足

に注目した。歩いているときに、それだけで地面から水を吸い上げているフナムシの微細な足の構造観察から、毛細管現象に着目して

 二重構造の毛細管足

を工学的に開発した。これだと

 重力に逆らってどこまでも高く、しかも自動で水を吸い上げることができる技術

につながる。

 針山さんは生きたまま生き物を電子顕微鏡で観察できる技術、マイクロスーツの開発でも知られている。これまでは電子顕微鏡で観察するには生き物など試料を真空状態に置く必要があった。これだと死体しか観察できない。生きた状態を観察するために、針山さんは生き物に、いわば真空から身を守る

 マイクロスーツ

を着せる技術を開発した。医学への大きな貢献だ。

 Image2256 この番組をみて、ダーウィン医学にならって、いまや

 ダーウィン工学

が大きく発展している様子がうかがえた。

 いまや進化論は認識論の域をこえて、あるいは単なる数学モデルの域をこえて目に見える

 エンジニアリング

という応用分野にも進出していることを知った。

 番組では、昆虫の観察で知られるファーブルが進行役として登場していたが、むしろチャールズ・ダーウィンこそ、この番組を見たらさぞかし驚いたであろう。

 生物の進化は自然選択による適応

によって起る。生き物は神によって一気に創られたものではない。今の生物の姿は、自然法則に正確に則って、それに長い時間をかけて少しずつ自然法則に適応した結果である。進化では神は必要ない。

 現代の進化生物学のこの基本的考え方を、実際に生き物たちは文字通り、そして見事に体を張って証明しているようにみえる。 

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