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歴史の上を歩く  - 『廃線紀行』

Imgp8528_2 (2015.10.18)  ブログ子は、地方紙の論説委員を長くしていたこともあって、ときどきEテレの「視点・論点」というのを拝見している。

 その道の専門家だけあって、ブログ子などが気づかない視点や論点を提示し、なるほどと感心させられることが多い。わずか10分間で話をするというのも、むずかしいはずなのにやすやすとこなしている人も多いのにおどろく。

 そんななか、先日は、肩のこらない

 廃線探訪の魅力

と題して、ノンフィクション作家の梯(かけはし)久美子さんが話していた。梯さんといえば、たしか映画にもなった

 『散るぞ悲しき硫黄島総指揮官栗林忠道』

の話題作で知られる。番組では近著『廃線紀行 もう一つの鉄道旅』(中公新書)を紹介していた。

 タイトルに出ている魅力とは

 絶景廃線ともいえる風景に出合えることと、レールが敷かれた歴史の上を直接歩くことができること

だという。歩く鉄道紀行だというわけだが、今も営業中でレールが使われている状態では、そんなことは文字通りにはできない。廃線ならその歴史の上をたどることができる。これが魅力なのだという。

 その魅力に惹かれたわけでもないが、著書に取り上げられた50選のうち、ブログ子が暮らす静岡県の廃線、

 国鉄清水港線(廃線区間8キロ)

に目がいった。絶景廃線とまではいえないが、この廃線は、清水港を取り囲むように、今の清水駅から清水港駅跡、そし美保駅跡まで。

 物流の担い手が1960年代後半から70年代に鉄道からトラックに大きく変化した直後の1984年廃止という点に、ブログ子はしみじみとした感慨を持った。

 加えて今のJR貨物会社の巨額負債を抱えた赤字経営の淵源を知ったようで、歴史というものの残酷さもこの著作で味わったように思った。 

 その意味で、この新書はほかの鉄道物にはない、レベルの高い著作だと感じた。

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