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能登はやさしや人はなし 国勢調査の月に

(2015.09.15)  この9月は、5年に一度の「国勢調査」の時期に当たっている。ブログ子の家にも、初となるネット国勢調査のお願いが届いた。日本の人口が本格的に減少しはじめてからはじめて実施される点でも、注目される。

 かつてブログ子は金沢暮らしを20年経験したのだが、能登半島についてよく聞いたのが、

 能登はやさしや土までも

という地元の言い方。なんども能登を訪れたが、そうだなあ、と今も思っている。

 しかし、ちょっと意地悪な加賀人(加賀市など石川県南部地域)のなかには

 能登はやさしや人殺し

と言い換えている。この言い方の文脈は、人生なれの果て、

 越中(富山県)強盗、加賀乞食、能登はやさしや人殺し

というものであり、どっちもどっちというところだろう(現に、今ブログ子の暮らす静岡県にも、似たような駿河乞食、遠州強盗、伊豆詐欺という言い方がまだ残っている)。

 ● 県内9つのうち能登半島には8つの消滅都市

 先日深夜、日テレ系のテレビを見ていたら

 能登消滅 9分の8の衝撃

というのを放送していた(再放送。製作は地元のテレビ金沢)。

 ブログ子もずいぶんとお世話になったテレビ局なのだが、この番組をみて、

 能登はやさしや人はなし

という衝撃を受けた。というよりも、正直に言えば、そうだろうなあという寂しさを覚えた。いまや能登半島は人殺しすらできない状況に陥っているのだ。

 なんと、石川県の、いま話題の「消滅可能性都市」は9自治体。このうち、加賀市を除けば、すべて能登半島にある。

 去年秋口から全国的に話題になっている消滅可能性都市とは、このままでは

   2010年を起点に、2040年までの30年間に、子供を生んでくれる若年女性(20代、30代)の数が半分以上も減ってしまう自治体

のこと(増田寛也『地方消滅』(中公新書、2014)。

  石川県について言えば、加賀市を除けば、消滅都市はすべて能登にあり、減少率を具体的に書けば、

 七尾市(59.5%減)、輪島市(66.6%減)、珠洲市(71.0%減)、羽咋市(69.6%減)、志賀町(54.8%減)、宝達志水町(63.1%減)、穴水町(73.3%減)、能登町(81.3%減)

という状況である。

 能登の自治体はほぼ〝全滅〟なのだ。とくに能登町の8割強の減少というのは、衝撃的であり、番組でも最初にその現状ルポが紹介されていた。

 ● このままでは秋田県はほぼ全滅

 和倉には日本一の優良温泉旅館があり、夏には石崎(いっさき)のキリコ祭りでにぎわうあの能登の中心都市、七尾市でさえ、このままでは25年後には消滅しかねない。その意味は、自治体として事実上、もはや後戻りのきかない脳死状態に陥るということだ。それはまた、このままでは自治体は行政機能を停止せざるを得ない日が来ることを意味する。 

 上記の『地方消滅』によると、石川県内に限らず、全国約1800自治体のうち、半数の約900が消滅都市になる可能性がある。

 なかでも秋田県では、石川県よりも事態は深刻で、大潟村を除けば、このままではすべての自治体が今後25年で〝消滅〟することになる。つまり行政が機能を停止せざるを得ない事態に陥る。

 このままでは25年後には石川県は能登半島がほぼ〝全滅〟だが、秋田県では県庁所在地、秋田市もろとも全県が全滅しかねない。

 ● 100年後の日本の人口、今の3分の1 

 日本の人口は2008年に約1億3000万人とピークに達した。その後人口は減り続け、このままでは2050年前後には1億人を切る(中位推計)。さらに今から100年後には約4000万人。なんと、これは今の人口の3分の1である。

 今回の国勢調査を

 地方創生

にいかに生かすか、そんな思いがしてならない。とくに、若年女性のしっかりしたデータを把握したいものだ。

 こどもを生むことのできるこの世代の女性は、すこしオーバーに言えば、日本を生かすも殺すもできるかぎを握っている。

 日本はやさしや人はなし

では、日本は本当に滅亡する。

  ● 補遺 静岡県では

 静岡県内には35自治体がある。上記の『地方消滅』によると、そのうち、11自治体、つまり3分の一が消滅可能性自治体。

 こどもの産める若年女性の減少率の筆頭は

 川根本町(71.1% 減少)

である。消滅都市はまぬがれたが、政令指定都市で県庁所在地の静岡市ですら、減少率は40.1%。政令市の浜松市も38.3%。かろうじて50%以下にとどまっているに過ぎない。伊豆半島の南部も相当深刻。

 逆に消滅とは無縁の自治体は、静岡県内では長泉町(減少率7.1%)ただひとつしかないというのは衝撃的である。

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