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Eテレ小科学実験にびっくり、わからん !

Image2130 (2015.05.02)  ブログ子は、Eテレの「大科学実験」の大ファンだが、先日、科学の考え方を楽しく学ぶという小学生高学年向けの小科学実験、

 考えるカラス(4月28日放送、Eテレ)

というのには、参った。わずか10分くらいのミニ番組なのに大科学実験に劣らずおもしろい。たしかに、大人も考えさせるのだ。

 正直に言えば、こちとら理系大学院まで出ているのだから、どんな実験をしようが、マア、理解できないということはあるまいと、たかをくくって拝見したのが間違いのもとだった。

 ● トレーと風船の落下実験

 二つの実験が紹介されていた。

 まず小実験A。

 女の子が登場して、右手に直径30センチくらいの金属製のトレー、左手に30センチくらいの赤い風船を持つ。

 これを同時に離すとどうなるか

という問題。もちろん、風船はふわふわとゆっくり床に落ちるのに対し、トレイはドサッといち早く落下する。

 そこで、本番の小実験。

 今度は、トレーの上に、赤い風船を乗せて、両手で持っていたトレーを離すとどうなるか

 もちろん、大学院まで出ているのだから、これはすぐわかった。

 トレーと風船は離れずに、同時に床に落ちる。

 実際にやって見せてくれたが、これが正解。

 トレーの上に風船を乗せることで、風船にかかる上向きの空気抵抗をなくしたからだ。重いものも、軽いものも、空気抵抗がなければ、つまり自由落下では同じ加速度で落下するという法則がある。ガリレオの「ピサの斜塔実験」として、科学史上、つとに有名な話。

 ただ、ブログ子がおどろいたのは、空気抵抗を取り除くには、真空中での落下実験をしてみせる必要があると、てっきり思い込んでいた。

 しかし、トレーの上に風船を乗せるだけでも、トレーが風船の空気抵抗を取り除くのに十分役立つというアイデアは素晴らしいと感心した。これで風船にかかっていた空気抵抗がほとんどゼロになる。これには参った。

 ● コップに一円玉と木片を浮かべると

 そして、小実験B

Image2133_2   コップに途中まで水を入れる。その水面に一円玉を中央にそっと浮かべる。そして、一円玉をこずく。すると、コップの縁に向かった一円玉はまたもとの真ん中に戻ってくる。

 これに対し、今度はこのコップに一円玉とほぼ同じ大きさの四角木片をそっと浮かべ、また、そっとこづく。そうすると、木片はコップの縁に近づいて、そのまま縁にくっついてしまい、コップの中央には戻ってこない。

 なぜだろう。どこが一円玉と違うのだろう。

 これはわからなかった。

 そして、あっとおどろく本番の小実験。

 これまでの実験は、コップの水が半分くらいのところで行なったもの。

 そこで、コップの水があふれる寸前まで追加する。この状態でさきほどの実験をもう一度やってみせていた。

 どうなったか。

 なんと、一円玉と木片の動きが、途中まで水の入った先ほどの場合の逆になった。

 つまり、一円玉は縁に近づくと、そのままとなり、戻ってこない。しかし、木片は、縁に近づくのだが、戻ってくる。なんどやっても、木片はコップの水面の中央に戻ってきた。

 これには、おどろいた。

 番組が終わって、1時間くらい考えたがわからなかった。たぶん、コップの縁に発生する水の

 表面張力

が形によって異なっていることが関係しているに違いないと思う。のだか、なぜ逆転したのかはもちろん、いずれの場合でも、一円玉と木片の動きの違いがなぜ起きるのか、その原因を理解できなかった。それとも水流が関係しているのだろうか。

 あまりに口惜しいので、自身でも台所で、ワイングラスに水を入れて上記の写真のように実験してみたが、なるほど、番組どおりの結果になった。

  写真上は、コップの水を途中まで入れたケース。写真下があふれる直前まで入れて再実験したケース。いずれも同時に小突いた後の最終的な安定状態を撮影。確かに結果は、なんどやっても逆転している。

 なぜだ?

 おわかりの方のご教示を、ぜひお願いしたい。

 そして、気づいた。小さな実験というのは、大実験とは違って、その気になればこのように自分自ら家でやってみることができるという利点があることを。

  ● 補遺 1円玉はなぜ水に浮かぶか

 水より重い

 1円玉はなぜ水に浮かぶか

ということなら、次の文献(千葉大学教育学部紀要、2005年)がある。

 http://mitizane.ll.chiba-u.jp/metadb/up/AA11868267/13482084_53_345.pdf

 それは表面張力と浮力の力が重力に打ち勝ち、バランスして浮かぶというもの。これなら、予想通りの結果( 1円玉が水より重いことは、乱暴にコインを浮かべると沈んでしまうことからわかる。比重が水より重い1以上である証拠。しかし、そっと浮かべると浮く。この原因のひとつはコインの縁が少し盛り上がっている構造、つまり底の浅い皿というような舟型構造によるものとも考えられる。しかし、1円玉の場合、縁の盛り上がりはごく浅い。そこで考えられるのが表面張力。気体に接触している液体はその表面をできるだけ小さくなるような形状をとるという現象だ。1円玉を浮かべたケースでは、浮力の向きと同じで、1円玉を浮かせる上向きに働く。浮かんだ1円玉は、アルキメデスの原理で、押しのけた液体の重さだけ軽くなる。表面張力はこれをさらに増大させる効果がある。これにより、1円玉に働く下向きの重力と上向きの浮力+表面張力がバランスしたところで、水より重い1円玉は浮いているのである。)

 だが、浮かんだのはいいが、それが丸いものと四角いものとではなぜ異なる動きにつながるのかという問題とは別の話。今回のは、ブログ子だけでなく、ひょっとすると、現役の理系大学院生でも解けないような気がする。

  きっと、途中まで水を入れたコップの縁は、表面張力の作用で水面より高く競りあがる。これに対し、あふれる寸前まで満たしたコップの縁では、もうそれより上の縁がなくなっているので逆に競り下がるようにコップと接触する。

 この水位の違いが、丸いものと四角いものの動きの逆転現象の原因かもしれない。しかし、それでも、水位が高かろうが、途中であろうが、とにかくどちらのケースでも丸いものと四角いものとが、同じ動きをしない。つまり、なぜ真反対の移動をするのかという基本的な謎はわからない。

 角ばっていることがそのまわりの表面張力の発生に(そして、それに伴う回転モーメントが無視できなくなることに)なんらかの影響を与えているのかどうかという考察が必要なのかもしれない。

 それにしても、なぜだ!

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