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第2の「明日の神話」にするな          - 浜岡原発の停止から4年

(2015.05.15)  南海トラフ巨大地震が直下で起きる可能性があるところから、日本でもっとも危険な原発といわれている

 浜岡原発(静岡県御前崎市)

が政府の要請で全機が停止してから、丸4年がたった。発生すれば、ブログ子の暮らす浜松市あたりは最も激しく揺れる可能性が高い。地盤がかたくて運がよくても、震度6強は覚悟する必要がある。おそらく最悪の震度7だろう。

 東北大震災とは違って、直下型地震だから、激しい揺れが続いているうちに、大津波が発生から数分後に原発を襲う。原子炉の緊急停止が果たして間に合うかどうか、専門家でも自信をもって大丈夫という人はいない。たぶん無理だろう。激しい揺れの中、核暴走が始まることを覚悟しなければならない。

 日本の大動脈の真ん中で、そうなれば、立地の御前崎市、静岡県などという小さな問題ではない。少し大げさに言えば、

 日本沈没の悪夢

である。南海トラフ巨大地震はこれまでに何回も起きている。が、これに原発核暴走が加われば、日本列島誕生以来、最悪の大惨事になることは間違いない。

 ● 「回答保留」多い首長アンケートから

 そんななか、5月14日付中日新聞朝刊に、浜岡原発の再稼働の是非を直接首長に問うアンケート結果が掲載されている。調査に応じたなかで「再稼働賛成」と明言した首長はいなかった。多かったのは「回答保留」で、態度表明を保留したのが一番多かった。

 立地自治体の御前崎市の石原茂雄市長ですら

 「回答保留」

なのはいかにも象徴的である。1990年代、あれほど5号機の建設を、しぶる中部電力に要請しその願いをかなえてもらった地元でさえ、再稼働してほしいと明言できないで、今くるしんでいる。

 お隣りの牧之原市の市長は、デメリットばかりでまったくメリットのないことから、明確に

 「認めない」

と明言している。議会も全会一致で同じ内容を決議している。

 川勝平太静岡県知事も

 回答保留

だ(任期は2017年6月まで)。知事はこのところ少しずつトーンは落ちてきてはいるものの

 「現状では再稼働できる状況ではない」

と再稼働に否定的、ないし稼働するとしても高いハードルを設定している点では一貫している。要するに、ポイントは

 「再稼働は反対、認めない」

とまでは言いきっていないことだ。少なくともこれまで一度も明言はしていない。

 なぜだろうか。

 これには、一つには、中部電力に期待を持たせて、最大限の安全対策をやらせるだけ、やらせるという政治的な駆け引きであろう。態度の明確化は安全対策上、得策ではないとの判断である。

 第二は、自民党支持が多数派を占める県議会への配慮だ。県議のなかにも、再稼働反対とはっきり主張する人はいるが、しかしそれは10人にもみたないごく少数。事実、ほとんどの県議で構成する超党派議連が2年にわたる論議をしたにもかかわらず、意見がまとまらないまま2014年11月に解散している。スムーズな議会対策を図りたい川勝知事としては、議会のこの状況を無視した発言はできないだろう。その結果が態度保留ということになる。

 わが浜松市の鈴木康友市長も

 「回答保留」

としている。その理由として「複雑な要因のなかで判断しにくい」と、ある意味正直に回答している。再稼働はやむを得ないと思っていても、すぐには明言できないという産業都市としての市政の苦悩もある。

 ● 前衛画家、岡本太郎の遺言

 先日、NHKプレミアムを見ていたら、20年近く前になくなった前衛画家、岡本太郎の

 明日の神話

や太陽の塔の制作秘話を紹介するドキュメンタリーを放送していた。明日の神話とは、以前、このブログでも取り上げたが、岡本太郎が1954年3月に起きた

 ビギニ環礁の第五福竜丸被曝事件

をテーマにして描いた巨大壁画のタイトルである。科学・技術の進歩と調和の果てで引き起こされた悲劇を前衛的に描いたものであり、悲劇の舞台は静岡県焼津市である。

 核兵器によって平和を保とうというのは根拠のない神話であり、幻想

だといいたかったのだろう。何が進歩だ、何が調和だというわけだ。

 そんな私たち静岡県民が率先して、原発、とりわけ

 危険な浜岡原発が人々の幸福を約束するかのような幻想の「明日の神話」

をふりまいてはなるまい。浜岡原発の再稼働断念が静岡県の総意となれば、その影響は全国の原発の再稼働の流れにも広がるだろう。

  ● 早ければ2030年代に巨大地震

 これまでの南海トラフを震源とする巨大地震のくり返しを調べてみると、3連動(東海、東南海、南海)の巨大地震はおおむね1000年に1回。最近では1707年の宝永大地震が知られている。だから、M9クラスの次の巨大地震は西暦2700年ごろと予想される。今から約700年後である。

 しかし、連動地震、東海地方の場合には、東海地震+東南海地震については、最近の歴史記録や考古学的な痕跡から、90年から150年でくり返している。

 直近は東南海地震1944年/南海地震1946年である。このことから、次の連動巨大地震は

 早ければ2030年代後半に迫っている

ということになる。何時起きるかの詳しい特定はできないものの、具体的な発生時期についてそう想定している地震学者は少なくないだろう。

 東海地震がこれまで単独で起きたことはないという事実や、繰り返しのある程度の誤差を考慮すると、大津波を伴って東海地方を襲う連動大地震については、今から15年後の2030年代から発生の危険水域に入る。

 こうなると、はっきり言えば、いまのような態度保留という名の体制支持の現状は、日本沈没の引き金を引こうとしている状況にあるといえまいか。

 一番危険な原発をかかえる静岡県が率先して賢明な破滅回避の道を選んでこそ、日本の未来は開かれるだろう。 

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