« ある理論物理学者の人生          - 『科学と人間』、『科学と幸福』を読む | トップページ | 「過剰な演出」とやらせのはざまで »

福島も「石棺」 ? チェルノブイリから29年

Image2127 (2015.04.30)  チェルノブイリ原発事故から29年、臭いものにフタで有名な

 事故原発を石棺につくりかえた現場は今どうなっているのか

というニュース・ルポを先日見た。事故当時、原発自身を、そのまま鉛やセメントで固めた。のだが、今ではその老朽化で放射線漏れの危険性が出始めている。強い放射線の影響を避け、事故原発をスッポリと覆う新しい巨大な石棺を事故原発から数キロはなれたところで建設している。しかし、完成にはまだ2年もかかるらしい。完成後は、事故原発までひいたレールの上に新石棺を乗せて事故原発まで運び込み、棺のように覆う計画。まさに臭いものにはフタの計画である。

 そんなニュースが流れる中、京大原子炉実験所の元助手だった小出裕章さんが、日本外国特派員協会で先日記者会見した。事故を起こした福島原発の遅々として進まない廃炉作業の現状について

 「チェルノブイリのように石棺で放射線を封じ込めるしかない」

と述べていたのは衝撃的だった(写真上= 2015年4月26日付毎日新聞朝刊)。あらためて原子炉を突き破り、内部から融けた核燃料が格納容器にまで落下した、つまり燃料棒がメルトダウンし、それが原子炉をメルトスルーした事故の処理の難しさを思い知らされた。

 格納容器内の放射線濃度は、おおよそ1時間当たり10シーベルト(Sv)レベル。これは1時間で人間のほとんどは死亡する線量である。こうなると人間が格納容器に近づくことすら危険。なのに、その中の膨大な量の散乱した燃料を処理し、取り出すというのは、ほぼ不可能に近いことは想像にかたくない。

 記事によると、事故から4年たっても原子炉やその格納容器という現場に近づけないというのは原発以外にはない。

 果たして、このままロボット技術を駆使すれば廃炉作業がスケジュールどおり40年程度で確実に完了することができるのかどうか。福島県民の生活再建を考えると、廃炉計画スケジュールの10分の1がすぎた今、そろそろ本気で見極める時期に来ているのではないか。

● 補遺 チェルノブイリ原発廃止

 2015年4月27日付中日新聞朝刊

 05_06_0

|

« ある理論物理学者の人生          - 『科学と人間』、『科学と幸福』を読む | トップページ | 「過剰な演出」とやらせのはざまで »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533942/61514060

この記事へのトラックバック一覧です: 福島も「石棺」 ? チェルノブイリから29年:

« ある理論物理学者の人生          - 『科学と人間』、『科学と幸福』を読む | トップページ | 「過剰な演出」とやらせのはざまで »