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キトラ古墳はなぜそんなに重要なのか

(2014.12.27)  年末になって、ばたばたしていたら、NHKのBSプレミアムで

 飛鳥の大宇宙 「キトラ」に眠るのは誰だ

というのを見た。1か月ほど前にも、漫然と見たのだが、なぜ、そんなにキトラ古墳が大事なのか、ということがブログ子には、よくわからないままだった。

 それでも、見たのは、ブログ子の先輩、宮島一彦同志社大教授が番組に少しの間だが、出演、コメントをしていた記憶があったからだ。

 それで、あらためて初めから最後まで見てみた。

 それでようやく 7世紀末ごろの藤原京時代につくられたキトラ古墳がなぜそんなに重要なのか、もう一歩突っ込んで言えば、被葬者の特定が、なぜそんなに重要なのか、ということがわかった。

 盗掘されていたとはいえ、さまざまな残された手がかり、物証から、番組は被葬者が皇族なのか、あるいは有力豪族なのかというように被葬者を絞り込んでいく推理小説的な趣向になっていた。

 なぜ重要なのか、ということだが、古墳の天井には北斗7星が金粉で描かれており、被葬者は統治権者である可能性が高い。

 だから、特定された被葬者が皇族なら、藤原京時代の7世紀末ごろ、あるいは大宝律令の制定前後(701年前後)という時代はすでに天皇専制の時代だったことがわかる。一方、特定された被葬者が有力豪族だったとしたら、当時はまだまだ有力豪族による連合、あるいは共和制の下にあったことが推定できる。

 だから、キトラに眠るのは誰か

ということが大変に重要な意味を持つというわけだ。

 つまり、

 この問いかけは、大宝律令制定前後の古代日本の「国のかたち」に直接かかわる問題なのだ。

 手がかりの一つが、天井の天文図。

 そこから割り出された観測地点は、

 北緯37.6度

と奈良よりもかなり高緯度(宮島教授の鑑定結果)。日本で言えば、東北の福島県福島市あたりであり、朝鮮半島でいえば、百済の都あたり。現在で言えば仁川あたりに相当する。この天文図は、いわば〝外国製〟なのだ。

 番組の結論は、特定はできなかったというものだが、外国製であるということから、絞り込む段階で、

 豪族説として、阿倍御主人 (あべのみよし)が浮かび上がっていた。大陸事情に詳しいからだ。陰陽師、安倍清明の先祖でもある。

 これに対し、皇族説として、高市皇子 ( 天武天皇の息子で、勝利に導いた壬申の乱の総司令官)

を主な説として挙げていた。

 天皇の墓ではないらしい。これは、天皇の墓の外形は当時すべて八角形であり、キトラは、高松塚古墳同様、円墳だからだ。

 高松塚古墳を早い段階で見学したこともあるブログ子の感想をいえば、確たる根拠はもちろんないのだが、素直な説として

 キトラの被葬者は、高市皇子

ではないか。天皇を補佐する太政大臣にまでなっているからだ。

 特定できなかったこともそうだが、極彩色の人物像で飾られていた高松塚古墳(1972年3月発見、刑部皇子(おさかべのおうじ)説が有力らしいが、いまだ被葬者は確定していない)といい、その10年後に発見されたキトラ古墳といい、さらには邪馬台国の場所、さらには卑弥呼はどこに眠っているのかなどなど、古代史は、まだまだ謎は多い。

 年末のあわただしい、気ぜわしい中、そんな悠久の歴史を感じさせた番組だった。

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