お手製の「第九」を歌う 音楽文化の街
(2014.12.21) ブログ子が暮らしている浜松市は、ピアノなどの楽器の街であり、いずれは
音楽文化の街
となることを目指している。それには人材輩出のための音楽大学の創設を望みたいが、それはともかく、国際ピアノコンクールやいまでは、国際オペラコンクールも盛んになってきている。
音楽文化といえば、そして12月といえば、楽聖、ベートーベンの「第九」演奏会。40年の歴史を持つ地元、浜松フロイデ合唱団(NPO法人)が今年も演奏会を浜松市中心部の大ホールで開いている。
クラシックにはとんと縁のないブログ子も、年に一度のこの演奏会だけは出かけるようにしている。近くに住む友人がテノールパートを歌うからで、先日午後、仲間数人と出かけたというわけである。
指揮は山下一史氏。管弦楽は日本センチュリー交響楽団。最後の第4楽章の合唱は、地元の浜松フロイデ合唱団。そのときの演奏前の華やいだ様子が写真上( アクトシティ大ホール、12月21日 )。
● 尺八とエレクトーンのコラボも
実は、今年の「第九」に出かけたのには、友人に誘われたということもあるのだが、もう一つ狙いがあった。それは、本物の「第九」演奏に先立って、ブログ子の加わっている会員制の小さな会で
お手製の「第九」を歌おう
という大胆な試みを行なったからである。十数人の会員が、伴奏のエレクトーンと尺八のコラボレーションの下、わずか数時間の練習で、ともかく第4楽章の「合唱」のさわりの、そのまたさわりの部分を歌うというものだった。
どういうわけか、オンチのブログ子が指揮者になってしまったのだから、参加したたいていの会員は、
まあ、成功は無理ではないか
と思っただろう。
それでも、歌いやすいように、4拍子のテンポをずいぶんとゆっくりにした。当然だが、ドイツ語の歌詞を、日本人シニアにも歌えるように、一部省略したり、思い切って「丸め」たりした。さらに、テンポがずれないように、本物の合唱とは異なり、最初から最後まで、緩急はつけずに、大胆にもテンポは一定で通した。
このように「編曲」したオリジナル日本語歌詞が写真下。
演奏では、すこしでも本物に近づけようと、合唱だけでなく管弦楽の味をだすという意味で
尺八の独奏
の部分も設けるよう工夫した。
これを関係者による打ち合わせと練習に半日。当日は本番前1時間のリハーサルで実演した。
予想に反して、初めて「合唱」を歌う会員ばかり10数人が、頼りない指揮ではあったものの、男女混声、ともかく、その場で初めてみた歌詞にそって見事に歌いきった。
これには、指揮を担当したブログ子もびっくりした。
● 「音楽文化の街」づくりは市民参加で
それはそうなのだが、このお手製の「第九」が、本物の「第九」とあまりにかけ離れてしまってはいないかどうか、それが心配で、確かめに演奏会を聴きに出かけたというわけだ。
その結論だけを言うと、自画自賛だが、
ベートベンも、笑いながら、何とか合格点
を出してくれたのではないかと思った。このことを、正直にここに書いておきたい。
音楽文化を育む
というのは、音楽家だけでできるものではない。本物であろうと、お手製であろうと、市民の下からの盛り上げ、情熱があってこそ、その夢はかなう。しかも、それは、その気になれば、手が届くということが、今回、おぼろげながらもわかった。
そんなことを思う演奏会だった。
● お手製「合唱」の歌詞と本物 (演奏会プログラム = 下 )
( 浜松フロイデ合唱団 第九演奏「プロググラム」から)
● 新聞記事
今回の「第九」、地元紙、静岡新聞記事
2014年12月23日付朝刊
● 追記
以下は、聖夜の歌詞。
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