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写真アルバムの活用 高齢者フォーラム 

(2014.12.30)  ブログ子も高齢者になったせいか、

 高齢者フォーラム

という催し物があったりすると、つい出かけることが多い。ましてや、「一人でも生きられる」というテーマなんかだと、余計である。

 最近、あるNPO法人が主催し、看護師、保健師、介護福祉士、社会福祉士などを講師にしたそんな催し物が浜松市内で開かれた。ブログ子も早速、ボランティアを買って出て、講演を聞きに出か けた。

 Imgp652420141127_2 なんと、会場はほとんど満員。

 会場で配られた

 高齢者入居施設の種類と利用料

というカラーパンフがとても、気に入った。自立型と介護型にわけて、それぞれについて、利用料の安いものから、高いものの順に絵入りで一枚の紙に、いわば二次元的に鳥瞰できるよう図示してあって、ありがたかった。

 これだけでも、出かけたかいがあったのだが、介護に悩む家族などからさまざまな質問が出た。これまたとても貴重な指針になった。

 たとえば、認知症などで介護が必要になる。施設に入ったのだが、介護するほうも、介護される家族も、本人とコミュニケーションがなかなかうまく取れない。何かいい方法はないか。

 そんな質問だったのだが、経験豊富な看護師で介護福祉士の講師が、

 それなら、写真アルバムを施設の部屋なり、ベッドの脇に置いたらいい

とアドバイスしていた。アルバムを通じて、本人と会話が成り立つのだ。専門的には、

 回想法

というのだそうだが、これだとかなりうまく会話ができるのだという。介護する側も、アルバムがあると、話の糸口がみつかり、大助かりらしい。

 ● アルツハイマー検診の時代も近い

 アルツハイマーや認知症については、これまでのところ根治は難しいとされている。発症をできるだけ遅らせたり、症状を緩和したりするのがせいぜい。

 そう思っていたら、最近では、

 アルツハイマー病の原因タンパク質、つまり脳内に長い年月をかけて少しずつ蓄積する

 アミロイドベータ

の量を測定できる装置(質量分析装置)が登場しているらしい。それも、わずか数滴の血液から割り出せるという( 以下の「補遺」参照 )

 その割り出し量から、将来、アルツハイマー病に、同世代に比べてどの程度なりやすいのか、なりやすい場合、発症まで道のりのどの位置に今いるのかということなどの判定が、おおまかではあるが、できるようになってきた。近い将来、検診などで実際に使われる見通しにまでなってきているらしい。

 そんな診断システムについては、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)で研究されているという。

  そんな話も聞けたフォーラムだった。

 会場を出るときには、すこし気が楽になっていた。

 出歩くというのは、そして、運動するというのは、血行を良くするという意味で

 一番の認知症やアルツハイマーの予防薬、緩和薬

かもしれない。

 ● 補遺 アルツハイマー病の検査法

 この分子を特定するための質量分析装置は、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一さん率いる島津製作所研究グループによって実用化に向け開発が進められている。

 この装置を使った検診での検査方法がいかに優れたものであるかは、今の世界のアルツハイマー病検査方法の概要を知れば、よく理解できる。

 以下は、「日経サイエンス」2014年6月号のヘルス・トピックス、

 アルツハイマー病検査のジレンマ

という記事による。

 現在、アメリカでは、アルツハイマー病の先端的で確実な検査法として、アミロイド斑(アミロイドベータタンパク質凝集体)の脳内の量を推定する

 認知症患者向けの「アミビッド検査法」

が取り入れられている。しかし、これは、検査法そのものが健康被害を引き起こす可能性があることから、実施する場合、患者であるか、疑わしい場合に事実上限られている。

 この方法を簡単に言えば、さきほどの凝集体を着色するために、特殊な放射性色素を患者らに注射する。この色素が脳に運ばれ、凝集体に結合する。この状態で、脳をいわゆるPET(陽電子放出断層撮影装置)で撮影すると、脳内に注入され固着した色素が放射するガンマー線をとらえることができる。これにより、診断に必要なアミロイド斑の画像が得られる。

 このことからもわかるが、この脳スキャン検査法は、放射線障害など脳の健康への悪影響が否定できない。検査費用が数十万円と高価であるというデメリットがある。

 つまり、スキャンすべきか、せざるべきかということが悩ましい問題

になり、アメリカ医学界でもこの10年以上論争が続いている。

 第一、これでは、健康な人のための予防としての検診には当然、使えない。患者か、症状が疑われる人に限られるというのでは、致命的とは言わないまでも、検査法としては重大な欠陥のあるといえそうだ。

 それに比べれば、血液数滴で誰でも検査OKという田中耕一さんの検査法は、確立すれば革命的な診断方法になる。

 多少オーバーに言えば、

 もう一回、ノーベル賞、それも医学賞

がもらえるともいえる。

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