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握手はしても笑顔は見せない 外交交渉のすさまじさ

11_18_0 (2014.11.18)  日中首脳が握手している先日の中日新聞1面カラー写真を見て、ブログ子は

 こりゃダメだ

と直感した( 写真右 = 2014年11月11日付中日新聞。以下の2枚も同じ )。しかし、何がダメなのか、しばらくは理解できなかった。もちろん、握手している両首脳が、目と目を合わせ、にこやかに笑顔をかわしていないことに違和感があったのは事実。しかし、これはたまたまそうなったのであって、それほど重大であるとは考えなかった。カメラマンのミスと思ったりもした。

 ところが、この日のこの新聞には、北京でのAPECとあって、いろいろな国の首脳同士が握手しているのが載っている。

 たとえば、2面には、日露首脳が両国の国旗を背景ににこやかに握手しているカラー写真が掲載されている。

 11_18_2 中面の6面には、白黒写真だが、中韓両首脳がこれまた両国国旗の前で堅い握手をしている。もちろん、にこやかな笑顔である。

 そういえば、1面の日中首脳の背景には両国の国旗はしつらえられていない。正式な首脳会談なら、必ずある。それがない。

 このことを考えあわせると、中国の習近平国家主席がソッポを向いているのは、何も偶然ではない。カメラマンのミスでもない。あえてそうしている。

 ● 共同通信の解説

 どうしてそうなったのか。

 中日新聞だけでは、要領を得ない。ので、11月11日付静岡新聞朝刊を開いたら、共同通信配信記事「表層深層」にその真相が出ていた。

 10日昼に行なわれる日中首脳の会談をどういう形にするかについては、靖国参拝をしないという確約にこだわる中国と、それを断固拒否したい日本との間の外交交渉はギリギリのせめぎあいになっていたらしい。 

 記事によると、会談前日の9日夜になっても、折衝が続いた。日本側がわずかばかりの尖閣譲歩、つまり、意図しない不測の衝突を回避する

 海上連絡メカニズムの構築(いわば尖閣ホットライン)

というささやかな提案で日本側は妥協を図ったらしい。これとて、6年前の合意を再確認したに過ぎない。ホットライン構築というのは、日中に尖閣という領土問題は存在しないという日本側の従来の主張にも抵触しない内容であり、問題はないという計算である。

 11_18_120141111 さらに、その折り合いも不承不承ということもあり、

 「握手はしても、笑顔は見せない」

ということになったらしい。習国家主席は、このことを忠実に守ったに過ぎない。

 こういう経緯で、1面の日中首脳の握手がようやく実現したのである。互いの国旗が握手の場になかったのも、むべなるかななのである。

  安倍首相は、北京に出発直前の7日夜のBSフジ情報番組「プライムニュース」に生出演した。

 その中で、海上連絡メカニズムについて言及した上で、日中の首脳同士が直接話し合う

Imgp6164bs  「環境整備ができた」

と繰り返し、強調していた( 写真左 = 11月7日夜のBSフジの番組テレビ画面から )。

 しかし今回の結果をみると、環境整備ができたとまではとてもいえないのではないか。そんな印象をブログ子はいだいた。

 それにしても、

 握手はしても、笑顔は見せない、互いに目を合わせない、

というのは、なんともすさまじい。

 ● 日中改善の「中日」社説がむなしい

 こういうことがわかってくると、中日新聞が同日11日付の社説で

 3年ぶり首脳会談、日中改善の歩み着実に

という主張をかかげているのが、空々しくもむなしい。

 今はとてもそんな雰囲気ではない。1972年以来の日中国交正常化のなかで、現状はおそらく最悪の状況であろう。

 着実な歩みのための「地ならし」が先決ではないか。

 それについて、正常化の立役者、今は亡き田中角栄元首相の声を、ブログ子ならずとも聞いてみたいと思う人は多いのではないか。

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