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2030年、火星の旅 最も問題なのは何か 

Nasa (2014.11.30)  日本は、近々、小惑星探査機として、大きな話題を呼んだ初代の「はやぶさ」についで「はやぶさ2」を打ち上げる。

 アメリカも今年中には、将来、有人火星探査にも使われる予定のNASA新型宇宙船、オリオンの試験機(無人)を打ち上げる。有人のスペースシャトルの後継機である( その試験機、オリオンは12月3日にも打ち上げられる。写真左下 = ニュースレター「SPACE.com」2014年12月2日号)

 ● 有人探査か、無人か

 太陽系探査の技術レベルでは、日米にそれほどの差はない、すくなくとも大差はない。アメリカは地球により近いお隣の火星に、日本はより遠い小惑星に狙いをつけている。

 ともに、太陽系の成り立ちの調査だけでなく、地球外生命の存在の探査を、その目的のひとつとして視野に入れている。その証明方法については、アポロ計画で培った有人技術を生かそうとするアメリカ。火星に直接降り立った人間により分析する。

 一方、ロボット技術を得意とする日本はサンプルを地球に持ち帰ることにより分析、目的を成し遂げようとしている。

 有人か無人かという違いはあるものの、いずれも高度な技術であり、優劣はなかなかつけがたいだろう。

 Orionfirsttestflightillustration 高度の安全性が求められるものの、有人技術のほうが生命探査の方法としてはロボットなんかよりは優れているに違いない。ブログ子は、これまでなんとなく、そう思っていた。直接、現地に人間が行くのに越したことはないからだ。

 しかし、探査が成功するかどうかという総合的な観点から言えば、必ずしもそうとはいえないことを知った。

 ● どう保つ正常なコミュニケーション

 というのは、先日、BSプレミアムのアーカイブスの時間で

 サイエンス・シミュレーション 人類、火星に立つ

という一連の番組を見たからだ(初回放送は2008年)。

 11_26_1ok 往復で約2年をかけ、人類が火星に向かう場合、ロボットでは考えられない深刻な問題がたくさんあることを紹介していた。2030年代までに火星有人飛行を実現するというものだ(写真左= 2004年1月15日付「北國新聞」夕刊)。

 最大の問題は、

 地球を遠く離れて2年以上も、閉鎖空間である宇宙船内の複数の宇宙飛行士たちが、緊張の毎日のなか、どのようにして地球上と同様に、正常なコミュニケーションを保つか

ということだ。そんなことは、国際宇宙ステーションで実証済みと思うかもしれない。2年近く滞在した宇宙飛行士もいる。日本の若田光一さんだって半年は滞在した。

 しかし、これは、いざとなれば地上から助けがただちにやってくるという安心のある心理状態のときの話。地球との会話もほぼ同時性が保たれている。

 これに対し、火星の場合は応答は早くても10分、20分遅れる。ましてや、地球からの救助などはあり得ない。地球-月の真ん中で爆発事故(1970年)を起こした「アポロ13号」の救出劇のような具合にはいかないのだ。

 救援が絶対に望めない状況下、なにかトラブルが発生した場合、それをきっかけに絶望と希望のはざまで人間は正常でいられるだろうか。

 いかにして、希望を心に長期にわたっていだきつづけることができるか。そんなことは予測不可能ではないかとブログ子も思う。

 そこには、ロボットには決してない人間の心の奥の深遠な闇が口をあけているからだ。

 ● 人類の新たな進化も

 数百万年にわたって地球上の環境にたくみに適応、進化してきた人類。火星への旅は、これまでとはまったく異なる環境に、これまでとは比較にならないほどの急速さで適応することが求められる事態だといえるだろう。 

 この意味では、アメリカの有人火星探査には、人類進化の想像を絶する実験だともいえる。単なる地球外生命探しなどではない。

 さらには、人類が遠い将来、プロジェクトをきっかけに火星に移住するという流れにでもなれば、こうした実験も的外れではないかもしれない。

 そもそも人間とは何か、生物の進化とは何かという根本に迫るプロジェクトなのだ

( 以下の映画パンフは2000年公開。火星に知的生命がいるのではないかという設定 )

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