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現在の宇宙の年齢と、現在の観測可能な宇宙の広さとの関係は、どうなっているか

(2014.10.25)   先日、ちょっとした縁で、ブログ子の近くにある浜松大平台高校(浜松市)の物理室に午後うかがった。生徒たちの授業を参観させていただいたのだが、この教室の入り口に

 宇宙の進化を一目でながめられる宇宙図

というのがあるのに気づいた。見開き2ページの新聞くらいの大きな紙に、宇宙の始まりのビッグバンから現在までの様子が詳細な説明と関連カラー写真を付して鳥瞰図のように見事に描かれていた。

 ● 浜松大平台高の物理室で

 その真ん中の部分が下段の写真。下のほうがビックバン。上に行くにしたがって宇宙は進化し、現在の姿になっていく。

 見ての通り、いやはや細かい文字でぎっしり書かれており、目のいい生徒たちでも、全部を読むのには、丸1日はかかるだろう。そしてまた、その意味を理解するには、さらに1週間はかかりそうだ。

 宇宙好きのブログ子もこれほどの詳細を書き込んだ1枚ものの宇宙図を拝見するのは初めてである。

 この宇宙図をみて、一番驚いたのは、細かいことは別にして、

 縦軸に目盛られた「現在の宇宙の年齢」は約138億年であるのに対し、横軸の

 「現在の観測可能な宇宙の広さ」は約450億光年

と、宇宙の年齢を大きくオーバーしていたこと。

 この違いを、最初はとても不思議なことに思われた。

 なぜなら、宇宙が大爆発し生まれたビッグバンの光が、膨張する空間のなかを約138億年かけてようやく今の地球にやってきたのだから、

 宇宙の今の広さは、現在の宇宙年齢と同じ138億光年の大きさ

であることは自明のような気がしたからだ。今、大きな巻尺で地球からビックバンの起きた地点まで一気に測ったら、まちがいなく光の速さで測って138億年、つまり、138億光年になるのは当たり前だからだ。

 しかし、それはまちがいで、なんと450億光年と、3倍以上も現在の宇宙は広いのだという。どういうことなのだろう。すっかり宇宙図のある物理室の前で考え込んでしまった。

 ● 風船の膨張とは違う

 家に帰って、あれこれと図を描いて考えてみた。そして、ようやく翌日、そのからくりの謎が解けた。

 宇宙が爆発し、膨張しているという言い方に問題があったのだ。

 宇宙の膨張というのは、たとえとしてよく言われるように、風船のなかの空気が膨らむイメージとは全然違うのだ。宇宙の膨張は、風船の場合とは異なり、空間自身がボコボコ湧き出てきて、それで小さな宇宙だったものが段々大きくなる。

 ビッグバンの光源から出た光は、光速で138億年かけて地球に届くのだが、その間にも、刻々と光源と地球の間の進路空間では空間が至るところ湧き出ているのだ。そのため地球とビッグバンの光源は、そこから出た光が地球に向かって出発したあとも、どんどん離れ続けているのだ。

 だから、光が地球に届いた138億年後には、光源は約450億光年もの先に遠ざかってしまった。宇宙年齢と、光の速さで測った宇宙の広さとは一致しないのはこの理由があるからだ。

  蛇足かもしれないが、付け加えておくと、今、地球から写真などを撮って物質世界の観測ができるのは時間にして138億年前までなのだが、その宇宙は、やわらかいモチを引き伸ばしたように現在の観測可能な宇宙の広さにまで引き伸ばされている。

 言い換えると、宇宙を眺める時期によって、つまり後になればなるほど、宇宙は間延びして見えるのだ。このままでは、かつて狭苦しくにぎやかだった宇宙は、大きな閑散とした離れ離れ風景の宇宙に、たぶんなるだろう。

 ブログ子にも、宇宙が膨張しているという本当の意味がこれでようやくわかった。風船がふくらむというのと全然意味が違うのだ。

 ● 宇宙の果てをめぐる最新宇宙論

Imgp5925  この考え方、解釈が正しいことは、ビジュアル月刊科学誌

 「ニュートン」2013年5月号

 村山斉博士が語る

 宇宙の果てをめぐる最新宇宙論

の中で詳しく説明していることと一致した(写真右)。東大教授の村山さんは、日本の宇宙論研究では最先端の科学者。

 村山さんのこの記事によると、現在の膨張する宇宙が観測可能なのは、現在では450億光年先まで。ここから先は、遠ざかる膨張後退速度が光速をこえてしまうので、たとえその先に宇宙が存在していたとしても、その観測は原理的に不可能ということになる。

 観測可能な宇宙の〝外側〟には、

 端のない宇宙が存在している

という。

 ここで、想像する。もし、仮に今の宇宙が突然、膨張をやめてしまったらどうなるか。そのときは、宇宙はどこまでも観測可能になり、宇宙の全貌が観測可能になるはずだ。

 ● 宇宙の果ては異次元につながる

 それでは、もう一つ、その先を想像する。その先の

 端のない宇宙の果てはどうなっているか

という想像である。

 村山さんは、この点について明確には答えていない。ブログ子は、この点については、

 私たちの住む空間3次元とは異なる別の異次元宇宙とつながっている

とこたえたい。

 Imgp59922 別の異次元宇宙というのは、いわば

 パラレル宇宙論

である(写真左= このような宇宙論を紹介した解説書。左は講談社ブルーバックス、右はNHK出版)。

 また、この宇宙には端がないということを考えると、その果てとは、450億光年以上先ではなく、意外にも、

 私たち地球の周りのすべての、ごくごくごくごく微小な空間

において通常の空間3次元構造が壊れており、そこから宇宙の〝向こう側〟に行けるのではないかと思う。この3次元空間の破れの領域(やぶれ穴)の大きさは、原子核や素粒子よりもはるかに小さい。

 とまあ、このようにいろいろと考えさせてくれた物理室の宇宙図だったように思う。

 学校というのは、このようにワンダーランドなのだ。 

 ( 写真はいずれもダブルクリックで拡大できる )

 Imgp5853

 

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コメント

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投稿: north face denali jacket coupons | 2014年11月 5日 (水) 16時33分

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