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幻の浜松計画 バブル崩壊20年

Imgp5791 (2014.10.13)  今から20年前の今月10月、JR浜松駅前に

 官民共同の複合施設「アクトシティ浜松」

がオープンした(1994年の開業)。オフィス、ホテル、専門店などの入居する民間所有のアクトタワーと、浜松市所有のホールなどのあるアクトシティ浜松で構成されている。構成されているというが、構成されていたのは1990年代のことであり、その後は高級ブランド店は次第に撤退していったのが実情。

 いわば、アクトシティ浜松は、バブル経済の絶頂期に計画され、バブル崩壊後にオープンした

 見事なまでの「バブルの象徴」

と言っていいだろう。具体的に言えば

 土地など日本経済のバブル期(1986年-1990年)の、そのまた絶頂期の1988年に浜松市が当時の国鉄清算事業団から用地を取得。崩壊直前の1990年にコンペで今のアクトシティ案が決定した。着工が1991年、完成は1994(平成6)年10月。つまり完全にバブル崩壊期(1991年-1994年)と重なる。

 一時は入居率は7割というひどい状況にまで追い込まれた。が、最近では9割をこえるまでに改善しているという。

 ● 幻のアクトシティ模型展

 今、そのアクトシティ浜松で、20周年を記念して、1階ホール前でひっそりと

 幻のアクトシティ模型展

というのを開いている( 写真 )。訪れる人もほとんどないが、なかなか面白い。

 要するに、どんなシティにするかという箱物の設計提案競技、コンペティション(通称、コンペ)で、採用された今の案以外にどんな提案があったのか、その具体的な模型を展示している。

 Imgp579320 実現した今の提案(第一生命グループ案)のほかに2案があったが、いずれも時代を反映して超高層ビル案だった。その2案のうちの1案は今の丸みのある提案と似てはいるのだが、やや角張った、いわば普通の堅実な超高層ビル。

 2案のうち、もう一つは、奇抜。なんと今のアクトタワーの2倍近い、400メートルに近い超・超高層ビルで、これまた、なんと形はすそ野のひろがった富士山型だった(写真)。当時としては、堂々たる日本一高い超高層ビル(民間施設部分は88階建て)の大構想だったのには、ブログ子も驚いた(超高層都市研究株式会社案)。

 浜松市民の当時の意気込み

がここに感じられる。

 奇抜さの中を取って、今の実現した提案に落ち着いたのだろうが、もし仮に、思い切った富士山型の超高層シティを採用案として決定した場合、その後の浜松市の発展はどうなっていただろうかと想像した。

 Imgp579620 確たる根拠はないのだが、大きく変わっていたかもしれないという気がした。

 都市建築は、強く時代を反映する。

 そんなことを知った「幻のアクトシティ模型展」だった。

 ● 補遺 幻の東京海上都市計画1960

 バブル期には、浜松だけでなく、たとえば、今の東京都庁舎も計画されるなど、全国的に高層建築ブームだった。

 都庁舎の場合、バブル経済が始まった1986年にコンペで現在の案(丹下建三案)が決定されている。1988年着工、完成はバブル崩壊直前の1990年12月。

 金沢に長く暮らした個人的な思い出でいえば、当時としては金沢一の高層ビル

 北國新聞会館(高さ約100メートル、21階建て)

が完成したのも、バブル崩壊が始まった1991年(平成3年)。

  余談だが、先日、BSプレミアムを見ていたら、

 幻の東京計画

というのを放送していた。東京湾海上に格子状に発展する巨大海上都市をつくる計画であり、これまた丹下建三氏の提案だった(東京計画1960)。1964年の東京五輪を意識したものであったのだろうが、もちろん、これは実現することなく幻となった。のだが、このあとも、高名な建築家、黒川紀章氏の

 東京計画1961

などが提案されている。

 こうしたことを考えると、都市の建築というのは、時代の影響を強く受けるということがわかる。その意味では、美しい建築を目指した丹下氏に対し、一見無骨にみえるコンクリート打ちっぱなしの建築を目指した磯崎新氏の登場にも、超高層ビル時代の中、注目したい。

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コメント

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