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言葉の海へ、辞書はそこに漕ぎ出す舟 

(2014.09.28) 先日、BSジャパンで映画

 「舟を編む」(石井裕也監督)

というのを見た。作家、三浦しをんさんの同名ベストセラー小説が原作。ある出版社の辞書編集部が舞台で、若い主人公の編集者の恋と悲哀もからませている。久しぶりに見る加藤剛さんが国語学者の編集長役で出演していた。宮崎あおいさんもいい役どころだった。

 恥かしいのだが、舟を編むという原作は読んでいない。第一、このタイトルでは中身を想像することができなかった。映画をみて、それは

 言葉の海へ、辞書づくりはそこを案内する舟のようなものである

ということらしいことがわかった。簡単に言えば

 言葉を編む

ということだろう。となると辞書編集者というのは、いわば水先案内人というわけだ。

 社会で使われてはいても、いまだどんな辞書にも載せられていない言葉を探し出す。言葉の意味、つまり語釈を的確に、そして短く記述する。そして用例も付す。

 これは簡単なようで、言葉は生き物であり、難しい。しかし、そこが辞書編集者の腕の見せ所、醍醐味なのだろう。また誇りであるかもしれない。

 ● わが「新明解」3代、40年

 Image2004 この映画はたまたま見ただけだったが、ブログ子の今後の暮らしに与えた影響は意外にも大きいと感じている。

 その第一は、三省堂の「新明解」シリーズがボロボロになり、そのたびに二回も買い替え、40年近く使い続けてきたのだが、シリーズにこだわらず、ほかの辞書との併用や比較をしながら利用していこうと、これまでの考えを少し変えたこと。

 語釈はどの辞書も同じではないことを知ったからだろう。

 写真の右側の赤い小型版「新明解」は第二版(小型版、1974年)。これは京都の大学院時代に友人にすすめられて買ったもの。

 真ん中の相当使い込んだ黒い革装のものは第三版(1983年)で、大阪で夕刊紙記者を始めたころに買ったもの。言葉の猛訓練の時代でもあったので、すぐに革装丁がボロボロになってしまった。

 次いで三代目の「新明解」が今も使っている茶色の第五版(1997年、革装丁。写真の左端)。金沢で新聞社の論説委員として働いていたころに買い替えたものである。こちらのほうは、まだボロボロにまではなっていないが、だいぶくたびれている。

 こう書き出してみると、ブログ子の職業と辞書とは深くとまではいかないが、かかわっていることがわかる。

 ブログ子の愛読書は新明解国語辞典

といっても言いすぎにはならないと思っている。

 ● 大辞林、大辞泉、広辞苑の三冊も

 第二の影響は、「新明解」の辞書以外の大型の辞書を数冊、机の下においたこと。語釈や用例を「新明解」と比較する楽しみのためである。

 Imgp5630 その第一は、たぶん、この映画の辞書づくりのモデルとなったであろう、

 『大辞林』(松村明、三省堂、1988年)

である。二冊目はこれも松村明監修の

 『大辞泉』(小学館、1995年)

である。最後は、老舗の岩波書店から出ている新村出の『広辞苑』(第三版、革装丁。1987年)。

 いずれも電子版ではない。紙メディアであり、とにかく大型は重いのが難点。

 これに対し、電子版の言葉の辞典としては、

 kotobank.jp

というのがある。わがPCにもアドレスを登録し、ときどき活用している。

 同じ言葉でも、いろいろな辞書の語釈が瞬時に比較できるように表示されるという便利さがあり、重宝している(「注記」参照)。

 ● 「日国大」は押し入れに

Imgp5631  最後に、自慢話にならぬ自慢話。

 理系出身のブログ子だが、10年ほど前ボーナスをはたいて、あの

 『日本国語大辞典』(全20巻、小学館、1982年)

を買った。しかし、年に何回か引いては見るものの押し仕入れの中にほとんど眠っている。

 何時の日か、もっと活用することになるよう、この映画を見て、誓ったかどうか、覚えてはいない。 

 ( 写真右= 日本の辞書づくりの原型となったとされる「言海」(大槻文彦、明治24年=1891年) 。ブログ子の蔵書 )

  ● 注記 PC版「日本大百科全書+国語大辞典」

 この機会に、今まであまり使っていなかった小学館の

 スーパー・ニッポニカ = 日本大百科全書+国語大辞典

も、1枚CDになっているので、PCにセットした。年表検索などPCらしい活用に心掛けたい。

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