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魚はなぜ横向きに描くか 常識を疑おう

(2014.09.05)  シニアとなったブログ子も、夏なのだから、やはり日常を離れて夏休みをとりたいと、とあるサマースクールに先日、参加した。

 Imgp5132 行き先は、琵琶湖北西岸の安曇川近くの小さな川。そこでの生き物探しなのだが、親子連れ、学生たちにまじって、高齢者仲間3人が魚取り用の網やバケツを担いでの1泊旅行となった。夜は野外でワイワイとバーベキューを楽しもうというごくごく安上がりなサマースクールだった。

 ● サマースクール2014安曇川に参加して

 こういう場合、たいていは日常生活からは思いつかない「ハッとする話」や体験をするものだが、また、それを期待して参加したのだが、やはりそんなことに出合った。

 川で魚を取るということで、このスクールでは、川や魚の見分け方に詳しい専門家が同行していた。その人が、

 魚はたいてい真横向きに描くが、人間の場合のように、目や顔を真正面から見る観察も大事

という趣旨の解説を、川遊び体験後の夜の学習会で披露してくれた( トップ写真 。写真右 = 展示ケースの中の魚は捕ったばかりのカワギス )。

 Imgp5124 つまり、常識を疑おう

というのだ。そういえば、たとえば左下の写真の図鑑でも、表紙ばかりか、本文の魚もほとんどが真横からだけしか描かれていない。美しい縞模様がよくわかるからだろう。また専門的な魚類図鑑もたいていそうなっている。

 しかし、魚がどの仲間に入るのか、その種類を見分けるには、体の縞模様がよくわかる横からだけではなく、真正面から、さらには下から観察する。このことが、確かな識別には非常に重要であることは、科学的、合理的であるばかりか、ある意味当然だといえよう。

 なぜなら、そこから、魚は人間とよく似た体形をしていることがわかるからだ。

 ● 今森光彦さんの昆虫写真展

 Imgp52412013 こんなエキサイティングな話を、子供たちや夜のくつろいだ雰囲気の中で聞いていたら、ふと、5年前の夏(2009年)、静岡市にある静岡アートギャラリーで開かれた

 写真家、今森光彦「昆虫4億年の旅」写真展

というのを思い出した。

 昆虫の目や顔をほぼ真正面から撮り、しかも、人間の顔の大きさにまで引き伸ばして展示していた。昆虫の表情のなんと豊かで、ユーモラスなのだろうという印象が今も記憶に鮮明に残っている。

 昆虫というのは、何億年もの遠い昔、人間の先祖と分かれたので、人間とはほとんど無縁の、いわば虫けらの存在だと思っていた。が、ブログ子は、この写真展を見てから、虫けらと思っていた昆虫も人間とあまり変わらないと確信するようになった。

 今回の夜の学習会では、昆虫だけでなく、さらに魚たちの仲間でも、より一層、真正面からみることが重要であることを理解した。人間と魚とは、顔、手足の付き方、さらには体形は基本的に同じなのだということがよくわかった。

 ● 生きた魚の見方が変わった

 Imgp5211_2 こうなると、翌日のサマースクールで訪れた琵琶湖博物館の生きて泳いでいる魚類の観察もこれまでとは、まったく異なる視点で観察するようになった

 つまり、魚を下からも見るようになったのだ(写真右= 琵琶湖博物館水族展示のギギ)。また真正面からも見るようになった。

 そして、さらに偶然、先日拝見した今森光彦さんのかかわったプレミアムBSのミニ番組

 命の小宇宙、田んぼ

の見方もずいぶん変わった。この番組は、サマースクールと似たような琵琶湖に流れ込む川の上流の田んぼ(棚田)でのナマズなどの魚や水生昆虫の生態を美しい映像でとらえたものである。

 どういうように変わったか。

 それは、昆虫というものを横からだけではなく、人間の顔を見るのと同様、真正面から観察するようになった。

 そのことを示す参考として、以下のようにテレビ画面を眺めたということをここに書いておきたい。

 画面いっぱいに映し出されたこれらのゲンゴロウもタガメも、サマースクールの川遊びでブログ子自身が網やザルですくい取ったものと同じ種類のものだった。それを真正面から眺めるようになったのだ。

 このように、生き物の生態観察の視点、仕方が具体的にわかった旅行だったと思う。

 ● 追記 「陸の水」サマースクール報告 2014年11月14日記

 このスクールの実施内容報告については、日本陸水学会東海支部会ニュースレター「陸の水」No66(2014年11月14日発行)に詳しい。(閲覧希望者は、最後にあるブログコメント用の通信メールにてご連絡ください)。

 ● 追記2  古代湖、びわ湖

 湖としては途方も長い歴史を持つびわ湖の成り立ちについては、琵琶湖博物館の専門学芸員による次のような解説があります。

 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/203233.html  

 これを読むと、もともとは琵琶湖は三重県伊賀市あたりにあったらしい。400万年かけて北上してきたという。そのエネルギーは何か。この「視点・論点」はとても参考になる。 

 (以下は、いずれも2014年9月5日放送のBSプレミアムミニ番組「命の小宇宙 田んぼ」のテレビ画面から)

 Imgp5245

Imgp5246_2  

 

 

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