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中田英寿「W杯観戦記」を読む

(2014.08.06)  先日、7月21日付きのこの欄で、

 日本はスペイン型パスサッカーを

というある大手新聞のコラムを紹介した。これを読んだあるサッカーファンから、ブログ子が書いたわけてもないのだが、珍しくお褒めの言葉をいただいた。

 ただ、そのコラムを書いたのは直接、サッカーをしている人ではなく、マスコミ人だったので、今ひとつ説得力に欠けるとのご批評を受けた。つまり、プロサッカー選手自身は今回のW杯をどう見たのか、このへんのコメントがないのが、おかしいと指摘された。

 その通りだと反省した。外野の話ばかりでは、岡目八目の効果があるとはいえ、結論に説得力がないとも言えよう。

 ところが、元日本体表で、8年前のドイツ大会で今回と同じように1勝もできずに1次リーグ敗退を味わった中田英寿氏のW杯観戦記を、つい最近読んだ。月刊誌「文藝春秋」8月号で、

 ブラジルで痛感したニッポンの限界 

  -  なぜ1勝もできなかったのか

という記事である。

 結論として、中田氏は、

 今回のW杯は日本にとって学ぶことの少ない大会になってしまった

と書いている。自らの体験に重ねての論考だけに、説得力があった。

 力の限り走って、繋いで、ゴールに向かうパスサッカーという「日本のサッカー」を貫くべきだ

としている。それが、勝つためのベストの選択だとも、観戦記で言い切っている。

 「その場しのぎのサッカーをくり返しても、そこからは何も学ぶことができない」

と監督批判ともとれる厳しい意見も飛び出した。

 そもそもこんなことも書いている。

 「この4年間積み重ねてきたのは、高い技術とスピードを活かしたパスサッカーだった」とした上で、初戦のコートジボワール戦について

 「しかし、(この)自分たちの長所を犠牲にしてまで守りを重視すべきだったのか」

と疑問を呈している。

 これは先ほどの

 スペイン型パスサッカーを

というのと同じ考え方。それは単に観客から見た「小が大を倒す醍醐味」なんかではない。元日本代表のスター選手の実感であり、それしか勝つ選択肢はないといいたそうな書き方だった。

 どうやら、今回の1勝もできなかった主な原因は、

 日本のサッカーはパスサッカーだ

という点を、本番で十分に徹し切れなかった結果だったといえそうだ。 

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