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長崎原爆は戦後国際情勢にらんだ人体実験

(2014.08.20)  先日、NHKスペシャル

 「知られざる衝撃波~長崎原爆・マッハステムの脅威~」

という番組を見た(内容のあらすじは、最下段の「注記」参照)。

 08_20_0 この番組を見てもわかるが、負けたとはいえ国民の生命財産を守るのか、それとも対米対策を優先するのかという場合、対米重視を一貫してとってきた日本政府の悲しいまでの姿が浮かび上がっていた。

 番組のあらすじからもわかるが、

 長崎原爆(広島型ウラン爆弾とは異なる新型でより強力なプルトニウム爆弾)の投下は、戦後の国際情勢をにらんだアメリカが、日本人をモルモット代わりに仕立てて行なったどさくさの人体実験

だったことが明確にわかる。対日戦争を早く終わらせる目的の投下などではない。事前に周到に準備された、そして戦争終結を早めるという「まやかしの大義」の下に実施された狡猾で非道な蛮行だった。

 ● 殺傷力倍増のメカニズム

 番組中には、脅威のマッハステムのメカニズムの原理がよくわからなかったが、見終わって少し考えた。

 そのメモが上の解説図(図のダブルクリックで拡大)。

 爆発した上空からの直接の衝撃波と地上で反射した衝撃波が地上で重なるため、水平方向にその破壊威力が働き、かつ倍増(赤矢印)。それが爆心地から同心円状に地上に広がっていく様子がわかる。

 衝撃波の破壊力が倍加し、しかも地上で水平にその力が働くということは、人的な殺傷力の増大にはきわめて重要。なぜなら、垂直に立つ建物の窓ガラスを水平方向に粉々に破壊し、なかにいる大勢の非戦闘員をいっきょに効率よく殺傷、または圧死させることがてきるからである。上からの衝撃力だけでは、こうはならない。ある意味、放射線障害よりも恐ろしいといえるだろう。

 これが、二重衝撃波としてのマッハステムの恐ろしさである。

 そして、このようなメカニズムによる地上での被害がさらにより広くなるように、原爆投下を地上500メートルに決められたのだ。広島の場合、原爆そのものの破壊力が長崎より少し小さかったことと、空中爆発が地上900メートルと地上から離れていたことから、このマッハステムの被害は大幅に抑えられたのだ。

  アメリカは、こうしたことを綿密に計算に入れ、日本政府が無条件降伏をする直前という絶好の機会をとらえ、広島に次いで新たなプルトニウム爆弾を長崎に投下した。人体実験をしゃにむに急いだ。その時のアメリカ軍上層部や政治家の心境は、実験成功まで日本はもう少し持ちこたえ、ギブアップするのを先延ばししてくれるよう神に祈っていたことだろう。

 これが歴史の非情な真実であることを、番組は教えてくれた。

  ● 注記 番組あらすじ

 NHKの番組ネット広報によると、放送内容は以下の通り。

 「69年前、長崎に投下された原子爆弾。大量破壊をもたらしたのは、爆心地から遠ざかるほど爆風が威力を増す現象「マッハステム」だった。知られざる衝撃波の脅威に迫る。

  被爆直後の死者のおよそ半数は、爆風が原因と見られているが、詳しいことはわかっていない。2013年3月、爆風による破壊を解明する手がかりが見つかった(番組によると、その資料の出所は竜巻研究で知られる日系アメリカ人で投下直後に現地調査に参加した藤田哲也博士。大型封筒に入った資料には投下直後の30枚以上の被害状況写真と、それをもとに作成された被害分布地図が含まれていた)。

  爆心地から遠ざかるほど爆風が威力を増す「マッハステム」という現象を捉えた一枚の地図。取材を進めるとアメリカがマッハステムの破壊力を事前に計算し、意図的に利用したことが明らかになった。長崎を襲った衝撃波マッハステムの脅威に迫る。」

 番組では、藤田資料をもとに、さまざまな再現実験(熊本大)や再現数値シミュレーションが、多数の死傷者が出た城山国民学校の場合について紹介されていた。

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