« 下士官たちの「二百三高地」 | トップページ | メタ認知のすすめ なぜ錯覚をするのか  »

ビットコイン グローバル仮想通貨の正体

(2014.07.15)  どういう経緯か知らないが、あるニュースサイトに、つい最近、

 米連邦捜査局のFBIが押収ビットコインを競売に

というニュースを見つけた。

 ● 実体のない〝レアもの〟

 ブログ子は、これを見て、

 ビットコインというグローバル仮想通貨のあやしげな正体

を見た気がした。

 要するに、そしてわかりやすく言えば、ビットコイン(BTC)とは、一見、グローバルに売り買いできるところから国際的に通用する通貨のようにみえはするが、紙幣や硬貨とは違い

 実体のない〝レアもの〟

なのだ。その正体とは、競売によく出てくる有名画家の絵画や貴重本、あるいはビートルズの直筆手紙と同じ。しかも、ビットコインの場合、それはデジタル上にしか存在しない。

 手持ちのビットコインを交換取引サイト(たとえば、米クラーケン社)で売り、円やドルに換えたり、その逆、円やドルを支払ってビットコインを手に入れることは、その手数料を払えばできる。しかし、ビットコインそのものは、お札と違い、現実のリアルな世界では決して見ることができない代物なのだ。

 株式の投機以上に乱高下するのも無理はない。

 こう考えると、儲け話にさとい中国人が投機的に我先にと、ビットコインに飛びついている現状も理解できる。

 ● 何が信用を支えているか  

 円やドルといった通常のリアル通貨の信用は、発行する政府の信用に基づいている。信用力が高まればその通貨は高くなるし、信用力が低下すれば、その通貨は安くなる。

 これに対し、発行主体のないビットコインの売り買いのベースとなる信用は、取引記録の売り買い履歴そのもので決まる。ビットコインを買うということは、そのビットコインが経てきた交換記録を買うことである。

 そのため、その記録が偽造されないように、あるいはハッキングされないように高度の暗号化技術が、その履歴の記録において使われているという。

 仮にそうだとしても、つまり、取引記録が高度の暗号化で仮にハッキングできないとしても、売り買いサイト取引会社のシステムをハッキングすることはそれほど困難ではない。

 ここにビットコインのウイークポイントがある。

 事実、2014年春、日本のMT.GOX取引所はハッキングされ、経営破たんした。ビットコインが消滅したらしいが、勘ぐれば、ハッキングした犯人は、その会社自身であり、最初から持ち逃げする計画破たんだった可能性もある。

 ● 新規発行はどうなっているか

 ビットコインには、通常のリアル通貨のように、紙幣発行権を持つ中央銀行はないのだから、ビットコインの新規発行はどのようにして行なわれているか、という問題がある。

 取引所を通さず、どのようにビットコインを新規に獲得するかという問題である。これが、マイニング(採掘)という手法。

 簡単に言えば、これは

 自らリアルマネーにおける中央銀行のような役割を担う

というのだ。

 もう少し詳しく言うと、取引生データから顧客や消費者の購買パターンを〝掘り起こす〟マイニングで、システムは、その掘り起こした人にその掘り起こした分に見合う

 新規ビットコインを発行する

という仕組み。まさに、中央銀行がやっていることを個人が行なう仕組みだ。

 中国ではこのマイニングという金鉱掘りに、多数のパソコンを使って大もうけしようと狂奔しているあやしげな姿が報じられている。先日のBS1のドキュメンタリーWAVE

 密着 ビットコイン 最前線

である(BS1 2014年7月5日放送)。

 心配なのは、当然だが、リアルマネーと同様

 マイニングで、無制限なインフレを引き起こさないか

ということだ。ある日突然、ビットコインという〝レアもの〟の交換価値がほとんど無価値になってしまわないかということである。

 あるいは、政府のビットコイン取引の口座開設抑制や封鎖措置、あるいは消費サービスの停止決定で、ビットコインの信用力が極端に低下し、いわば〝紙くず〟になってしまわないか。そのリスクは大いにあるだろう。

 ● Suica、nanaco TOICA、Edyの電子マネー 

 ビットコインと似たような地域通貨は、発行主体が企業であるが、これまでにもあることはあった。

 代表的なものは、かつての

 電話料金支払いのためのテレホンカード(前払い方式)

であり、最近では便利にサービスを受けるための

 JR東日本の「Suica」カード

あるいは、「nanaco」カード、JR東海の「Toica」カードが有名。いわゆる電子マネーである。

  いずれもそれ自身は取引の対象ではない。換金性も基本的にはない。交換ではなく、利用することが中心である。したがって、取引市場はないに等しい。〝レアもの〟は別にして、通常の使い方では、値上がりしたり、値下がりしたりすることもない。

 ● だれがシステムをつくったのか

 ビットコインは、その意味で、こうした従来の地域電子マネーやプリペイドカードとは、根本的に異なる。つまり、交換の目的が、より便利にサービスを提供することではない。投資・投機の対象であることだ。少なくとも現状はそうだろう。

 そこに、中国人の暗躍の余地があり、ビットコインのいかがわしい正体がある。

 この現状を乗越え、ビットコインを、より便利にサービスを受けるためのものに変えていくには、どうすればいいのか。

 大変に難しい問題だと思う。

 なにしろ、こうしたビットコインのシステムを創ったのはだれなのか、日本人という説もある。が、今のところ不明ということ自体、そのいかがわしさを象徴している。

 まったくの素人ながら、ブログ子は、レアもののビットコインには危惧すべき点が多々あると感じている。

 ● 本当の恐ろしさとは

 もっと単純な言い方をすれば、

 仮にそうしたいかがわしさがないとしても、ビットコインには

 あまりに便利で、

 使いすぎる

という落とし穴があるということだ。ビットコインの本当の恐ろしさは、この消費拡大というワナかもしれない。人間のあくなき消費癖を巧に突いている。

|

« 下士官たちの「二百三高地」 | トップページ | メタ認知のすすめ なぜ錯覚をするのか  »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 下士官たちの「二百三高地」 | トップページ | メタ認知のすすめ なぜ錯覚をするのか  »