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STAP現象 「細胞の意思」について

(2014.05.25)  ちょっと目立たないのだが、毎日新聞には「発信箱」というコラム欄がある。1面コラムとちがって目立たないだけに、その分、筆者は思い切った持論や主張ができるという利点がある。

 ● 毎日新聞コラム「発信箱」から

 先日、この欄(5月16日付朝刊中面)を見ていたら

 STAP効果

というのが出ていた。ライターは科学に強く論説も書く青野由利編集委員。

 一連の小保方論文騒動には、「科学と社会」の間の溝を埋める格好の機会となったという「効果」があったと評価。その上で、だから、とかく再現実験に及び腰の理研は逃げることなく、STAP「現象」の存否に真剣に取り組んでほしいと〝激励〟していた。

 その通りであると思う。

 ● STAP現象は存在する

 ところで、STAP現象、つまり、体細胞が筋肉やリンパ球などから逆戻りして、ある刺激によって多能性細胞ができる現象については、小保方論文をもってその存在を信じろというのはもはや無理。だが、科学的に探求すれば、かならず存在するであろうとブログ子は確信している。

 Imgp2262_1 こうした確信は、ブログ子だけでなく、発生生物学者なら、たいてい科学的な仮説として信じていると思う。今回の小保方さんの後ろ盾で、論文共著者の笹井芳樹理研副センター長も「有力な仮説」と評価している( 注記 )

 ただ、マスコミ人ならいざしらず、客観主義を旨とする欧米流のプロとしてなかなか、

 「細胞は生き続けたいと思っている」

などとは堂々とは言い出しにくいだけだと思う。そんな主観的なことを言えば、学会から笑われてしまうからだ。研究者失格の烙印を押されかねない。

 ところが、たとえば、大阪市立大教授だった発生生物学者、団まりなさんの

 『細胞の意思 自発性の源を見つめる』(NHKブックス、2008年、写真)

には、一章を設けて、細胞は生き続けたいと思っていると考えなければ、とうてい考えられない現象を、自らの研究結果をもとに具体的に挙げている。この章の中で、団さんは

 すべては「細胞の意思」を認めることから

と力説している。この主観の含む考えを、本心はともかく、表向きまったく否定する生物学界会の研究姿勢の頑迷さを、具体的な現象を挙げて批判している。この本の帯には

 思い、悩み、決断する細胞たち

とまで書いている。

 ブログ子は、STAP:現象は「細胞は生き続けたいと思っている」ことの現れであろうと思う。人間同様、細胞にも自律性も自発性もある。ストレスがかかったとき、さあ、どうするかと細胞は自ら脱出方策考えているのである。

 ● 日本から「ハイブリッド科学」を

 05_20_0_1 そんな思いは、専門研究者を別にすれば、理系出身のブログ子ぐらいかと思っていたら、なんと思想家で知られる中沢新一氏が「週刊現代」2014年5月10日17日合併号の

 アースダイバー STAP細胞論( 写真左)

で、論じている(写真のダブルクリックで拡大)。

 「人間側では、細胞にストレスを加えるなど、変化のための環境を整えてやるだけで、あとは生命に内在するある種の「知性」が、自分を初期化していく行動にでるようになる。人間の知性と自然知性の合体が、そういう状態をつくりだすことができる、というのがSTAP細胞の発想である。」

と書いている。

 「この発想のハイブリッド科学たるゆえんである。そしてまちがいなく未来には、このようなハイブリッド科学が主流になる、と私(中沢氏)は考えている。」

と断言している。その断言の根拠として、人工と自然が協力しあう日本人好みの思考法ときわめて相性がいいこと指摘し、明治神宮の森づくりなど具体例を挙げて論じている。

 ● 現象の可能性、葬るな

 ブログ子は、現在、浜松市の佐鳴湖で、ほとんど絶滅してしまったシジミの再生に取り組んでいる。が、水環境に少しだけ人手をかけて、あとは自然の再生能力に任せるのがもっとも有効な方法であることを身にしみて感じている。

 中沢氏の論考には、文系からの指摘ではあるが、十分に傾聴に値する。

 理研の再現追試には、新しい生物学の考え方を導入する重大な役目がある。予断は禁物であり、おざなりな検証で、せっかくのSTAP現象を自らの手で葬ってはならない。

  ● 注記 夢の細胞

 このほか、共著者だった若山照彦山梨大教授も、論文取り下げに同意はしたものの、事件3か月後に週刊誌記者の取材に応じ、

 「生物学的にSTAPのような細胞の存在する可能性はある」

と語っている(「週刊文春」2014年6月19日号、独占告白)。さらには

 夢の細胞

とまで語り、その存在に強い関心を示している。

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