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クビナガリュウの首 石炭・化石館で

(2014.04.28)  ブログ子は福井県出身だから、全国に名だたる福井県立恐竜博物館(勝山市)は何度も訪れている。

 Imgp3731_1_2 縁があって、先日、もう一つの〝恐竜〟博物館ともいわれる福島県の

 いわき市石炭・化石館(いわき市湯本、愛称ほるる)

をたずねた。その入り口に、全国初のクビナガリュウ、

 フタバサウルス・スズキイ(中生代後期白亜紀、約8500万年前)

の全身7割の発掘骨格とそれをもとにした全身復元像が展示されており、これにはびっくりした。全身7メートルはあろうかという長い首がなんといっても最大の特徴だろう(写真上)。

 むずかしい話はさておいて、

 いやはやたいした恐竜である。

 そう感心した。そして、思った。

 この長い首は、進化の過程で、どんな働き、あるいは生存にとって有利に働いたのだろうか

 という疑問を持った。

 ● 首長竜は海の〝恐竜〟

 そうしたら、説明の学芸員は、ちょっと残念そうに、このフタバサウルス・スズキイも含めてクビナガリュウというのは、

 Imgp3742_1_2 恐竜の仲間ではない

と話してくれた。

 わかりやすくいえば、同じ爬虫類ではあるのだが、恐竜というのは中生代の陸上に生息する巨大爬(は)虫類。これに対し、クビナガリュウは中生代の海中で泳いでいた

 海の巨大爬虫類

なんだそうだ。生物分類上、ともに「科」は海棲爬虫類のエラスモサウルス科ではあるのだが、その下の分類

 属と種が異なる

のだそうだ。

 エントランスに堂々飾られていたフタバサウルス・スズキイ

の正式な属と種は、

 フタバスズキリュウ属ススキイ種

となる。恐竜の属とは異なる。

 爬虫類(分類上の「綱」)の中のどの属に入るかというやかましい判定には、爬虫類の骨盤の構造の違いによるらしい。生物分類では、大わけのほうから、界(動物界など)、門(脊椎動物門など)、綱(魚類、両生類、爬虫類、ほ乳類の4綱がある)と細かく分類されているらしい。

 ● 首長竜の首はなぜ長くなったか?

 こんなややこしい話に付き合ってるとつい、

 Imgp3743_1 なぜ首長竜の首はあんなにも長いか

という進化論的な肝心な話がどこかにいってしまいそうだ。

 あとで、ほるる学芸員に電話で問い合わせたら

 キリンの首がなぜ長くなったかということと同様、確定的なことはいえないが、環境が大きく異なり、収斂進化ではないようだ。しかし、海中でエサ、たとえばイカを捕食するのに有利であったのかもしれない

とのことだった。しかしながら、同じ首長竜の仲間でも、首の短い、つまりカメのようなタイプの首長竜もいるということだから、こんな解釈も一筋縄ではいかないらし い。

 ● 炭坑の町と恐竜

 いわき市は昔から常磐炭田の街だったから、石炭を掘り出すための地下の情報が豊富だった。このことがこうした巨大爬虫類の発見に有利な土地柄になったらしい。

 ちなみに、いわき市はもちろん、もはや石炭の掘り出しは行なっていない。日本で石炭を坑道掘りだが、行なっているのは北海道釧路だけだという。

 ( 写真はいずれもダブルクリックで拡大できる )

 ● 補遺 アクアマリンふくしま、いわき市大震災展(ら・ら・ミュウで)

 いわき市の小名浜港には、建物がガラスの魚類のように見える海洋生物の科学博物館ともいうべき

 アクアマリンふくしま(写真)

もある。後日、じっくり見学したい施設だった。

 Imgp3753_1

Imgp3751_1_1ok

  ● 補遺2

 このバスツアーの帰途、車中で観た二つの青春映画

 「スウィングガールズ」(2004年)と「書道ガールズ!!私たちの甲子園」(2010)

は、ブログ子にとって、とても新鮮なものに思えた。

 最初のは、ブラスバンド部に新しい風を起こそうとした女子高校生たちのジャズバンドづくり。後のほうは、書道とは個人的なものであり、静かに一人自分の心と向き合うものという固定観念に対する危機感が背景。実話がもとになっているらしい

 音楽にあわせて心からわきでる書きたいものをグループで仕上げるなど、書道に協力し合う要素を加えてもっと活力を、街おこし力を、というのがテーマ。芸術は爆発だというのとも少し違う。

 いずれもコメディタッチなのがよかった。大上段に振りかぶっていない。どちらかといえば、竹中直人がジャズ好きの数学教師として脇をかためていたからか、「スウィングカールズ」のほうが作品としての完成度は高いように感じた。

 この二つの映画と並んで、いわき市と関連の深い

 「フラガール」(2006年)

も見てみたいものである。松雪泰子が出演している。1967年、常磐炭坑が閉鎖されるまでの町おこしとして、フラダンスを取り上げている。   

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