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論争「努力すれば夢はかなうか」     

(2014.01.31)  「アエラ」2月3日号をみていたら、スポーツライターの為末大氏の

 努力しても夢はかなわない

という挑発的なテーマについて、そんなことはないなどの反論が続出、ツイッター上で論争になっているらしい( 写真= 「アエラ」2月3日号 )。

 Imgp2795_1 スポーツの世界に限れば、この為末氏の主張は断然正しい。なにしろ、たとえば高校野球の甲子園大会で夢がかなうのは、地方大会も含めて出場約3000校のうち1校にすぎないのだから、為末氏は正論であり、また現実なのだ。

 この意味で、テレビ・新聞・雑誌でのスポーツ評論では勝者論ばかりが華やかだが、夢はかなわないのに、それでもなお人はなぜスポーツをするのかという問題を考える上では、敗者論が本質的である。

 為末氏の(スポーツの世界では)「努力しても夢はかなわない」というのが、正しいかどうか、ソチ五輪の女子フィギュア、浅田真央選手の結果がどうなるかで、まもなく証明されるだろう( 補遺 )

 ● 好きなことに情熱を

 努力論争に対するブログ子の主張の結論は次の通りである。

 いくら努力しても決してかなわない夢がある。その一方で、なんの努力もしていないのに簡単にかなう、うらやむような夢もある。

 努力だけで夢がかなうほど、スポーツを含めて人生は単純ではない。だから、努力はその人を裏切ると心得ているのが賢明である。

 だから、

 せめて好きなことに情熱と努力をそそぎたい。

 そうすれば、たとえ、夢がかなわなくとも、その間自分が輝やいていたことを思い出しさえすれば失望することはない。また、その努力が仮に、次の仕事に生かされることがなくても、好きなことに情熱を注ぐことのできた人生があったというそれ自体の意義に気づき、自分を納得させることもできる。

 結果がどうなろうと、浅田選手の場合にも、この結論は当てはまると思う。

  ● 補遺 夢以上の感動 2014年2月21日付記

 ソチ五輪女子フィギュアの浅田真央選手については、規定にあたるSPの出来が非常に悪く、フリー演技では完璧ではあったものの、「銀」だったバンクーバー以来の夢、五輪金メダルはかなわず、6位入賞に終わった(写真下= 試合前日の2月19日付毎日新聞夕刊)。

 Imgp2996 もう一つ、女子モーグルでも、メダル獲得という20年近い夢を持ち続けた上村愛子選手も

 4位

と、ソチでもその夢はかなわなかった。

 1998年(7位。長野、18歳)、2002年(6位。ソルトレークシティー、22歳)、2006年(5位。トリノ。26歳)、2010年(4位。バンクーバー、30歳)。そして34歳の今年はまたも4位。

 この経過を見る限り、彼女の競技人生はある意味過酷ですらある。努力しても夢はかなわないことを見事に証明してみせているともいえるからだ。

 いずれの事例も、スポーツの世界では、

 努力しても夢はかなわない

を圧倒的な事例で象徴した出来事だった。 

  だが、夢はかなわなかったが、浅田選手のフリー演技でもわかるが、「金」メダルという夢以上の感動を見るものに与えたことを忘れてはなるまい。

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