« 忘れまい南海トラフ 防災訓練の日に | トップページ | 読書ノート 発生生物学の団まりなを読む »

落下するコイルバネ、先端は待っていた !

(2013.12.11)  Eテレのミニ番組「2355」が面白い。お休み前の5分間番組なのだが、面白くて、ハッと考え込んで寝られなくなることがときどきある。

 先日、12月3日の23時55分からの

 「先端は待っていた」

というのもそれ。ぐるぐる巻いてあるコイルバネを空中にたらし、下端Bを空中に静止させる。次に上端Aを離したら、どうなるかというのを映像で見せていた。

  ● 驚きの映像 「2355」

 図にすると、写真の真ん中の状態である。上端Aを離しても、Aが下端Bと合体するまで、先端Bはほとんど動かずに、先端は待っていた。

 Imgp2271_1 スローモーションで、二回も繰り返して見せていたというこりようだった。

 しかし、驚きの映像だった。

 番組はそれだけなのだが、どうしてそうなるのか。瞬間的にはわからなかった。

 というのは、常識では、図の右にある棒を考えると、もちろん、手からAを離せば、AとBとはともに一緒に、地面にストンと落ちるのに、なぜコイルバネではBの先端はAが到着するまで「待っているのか」という問題だ。

 この〝謎〟を解くには、真ん中のコイルバネと同じ状態を地面に水平にして置くとどうなるかということをまず考えるとわかりやすい。

 この場合は、重力は関係なくなる。だから、コイルバネは左右から真ん中に向って縮み、そこでAとBは合体する。弾性力が内向きに働いているからだ(地面との摩擦はないものとする)。

  すると、テレビでの実験のように、図の真ん中のような垂直にコイルバネをたらしたときはどうなるか。今度は重力が働いている。

 上端Aは、手を離すと、下向きの力をプラスとして、重力+弾性力で下に勢いよく落ちる。左の棒の場合より、弾性力がある分、速く落ちる。

 ● 止まってはいないのだが、待っている

 一方、Bのほうは、重力-弾性力で重力よりゆっくり落ちる。これにより、いかにも、BはAを待っていたように見える。

 合体と同時に、弾性力がなくなるので、重力と同じ速さで、棒の場合同様、地面に落ちることになる。

 だから、Bは最初はほとんど落ちないが、だんだん上向きの弾性力が小さくなるに連れて、落下することになる。したがってAが到着するまで完全に止まっているわけではない。

 バトンリレーでのランナーのバトン渡しのように、次のランナーにあたる

 「先端は待っていた」

のであり、完全に「先端は止まっていた」のではない。そうみえるだけなのだ。バトンを受け取ろうとしている次のランナーは少しずつ前に走り出そうとしているのに似ている。合体するまでの間に、ごくわずかではあるが落下している。

 バトンを渡した瞬間、もらった次のランナーはフルスピードで走り出すように、コイルバネのAとBが合体した瞬間、フルスピード、つまり、重力の加速度で走り出す。

 これがこのミニ番組の種明かしなのだ。

 これに気づいたときには、午前零時をずいぶん回っていた。

 そして、50年近くも前に受けた高校物理の授業を懐かしく思い出した。そして、思った。高校時代、このように物事をもっと徹底して理解しようとしていたら、もっと賢くなったのに、という後悔が脳裏をかすめた。

|

« 忘れまい南海トラフ 防災訓練の日に | トップページ | 読書ノート 発生生物学の団まりなを読む »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533942/58729223

この記事へのトラックバック一覧です: 落下するコイルバネ、先端は待っていた !:

« 忘れまい南海トラフ 防災訓練の日に | トップページ | 読書ノート 発生生物学の団まりなを読む »