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驚異のヒマラヤ上空越え アネハヅル

Imgp2202_1_12 (2013.12.10)  先日、BSプレミアムで、アネハヅルが大編隊を組んで、8000メートル級のヒマラヤ上空を越え、モンゴルの繁殖地から越冬地のインドまで渡りをする様子を紹介した

 「アネハヅル、驚異のヒマラヤ越え」

というのを見た( 写真上= NHKBS「ワイルドライフ」12月2日放送 )。

 ● 大編隊を組み、上昇気流に乗る

 飛行ルートは酸素濃度が地表の3分の1しかない高高度。アネハヅルはツルのなかではもっとも小さい。その特性をむしろ生かし、ある朝の夜明けとともに、モンゴルの大草原を一斉に飛び立つ。

 いかにして体力を消耗せず、高度を上げるか。回転しながら垂直に上昇するヒマラヤの気流を利用して舞い上がるのだ。さらに水平飛翔でも、体力の消耗をできるだけ抑えるために、空気抵抗を極小化する大V字編隊を組む。いわば自転車競技の要領である。また前を進むツルの羽ばたきも利用して後続のツルは浮力をえる。風圧という負担を背負わなければならない最先頭は交代制である。生まれてまもないツルの子どもは、この大編隊に守られて飛行する。

 こうして1羽ではとうてい不可能なこの渡りを整然と見事にやってのけていた。

 整然とした編隊を組んでいることから、編隊内に通信手段があるはずだ。ほ乳類に比べて、気嚢(きのう)という効率のいい肺機能システムをいずれの鳥も持っている( 写真中 )。が、アネハヅルは体が小さいという特性を巧みに生かした渡りという行動パターンを自ら選択している。

 ● 自己責任で生理的に行動を選択する

 この映像を感動なしで見ることはできないだろう。圧巻だった。

 そして、つくづく次のようなことを確信した。

 Imgp2224_1 生物はどうやら、周りの環境に照らして行動を変化させることができる選択肢が場合、遺伝的に最も淘汰上都合のいいものを選ぶものらしい。自然淘汰の結果そうなるのではなく、一代一代生物個体が、自らの遺伝的な背景にとって最も都合のいいように生理的に行動パターンを自ら選び取っていく。つまり選択の余地がある場合、遺伝的背景を踏まえながらも生理的に行動を自ら選択する傾向がある。

 もっとはっきり言えば、行動に選択肢がある場合、自分の行動をいちいち環境なんかにおうかがいなど立てない。さっさと自分たちで決め、自己責任で行動している。

 その責任行動の結果には自然淘汰が働く。鳥たちの生理に基づく自発的な選択が、それがない場合に比べ、淘汰上有利になる。そして種内にその遺伝的に有利な形質が広がり、ついには種内全体に行き渡り固定される。そんなふうに考えられないか。

 なお、この確信については、ほぼ同じ考え方が、分子生物学者、柴谷篤弘氏の

 『今西進化論批判試論』(朝日出版社。1984年)

の202-203ページに出ている。アネハヅルはその実例であると思う。

Imgp2205_1 

 ( 写真は、12月2日放送「ワイルドライフ」テレビ画面より。ダブルクリックで拡大できる )

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