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人生の唐辛子  映画「大統領の料理人」

Imgp2232_1_1_2 (2013.12.07)  たまには、フランスのエスプリの効いた、そしておいしそうな映画を見ようと、浜松市内のシネマイーラに先日出かけ、

 「大統領の料理人」(C.バンサン監督、2012年)

というのを見た。確かに見た目のおいしそうな料理の連続だった。会場に女性が多かったのもうなづける。

 パンフレットには、

 ミッテラン大統領の心をとりこにした一人の女性シェフ、その真実の物語

とある。映画の見せ場で、シーズン初物のきのこ、トリュフを厚切りにした

 ぺリゴール産トリュフのタルティーヌ

というのが登場する。見せ場というのは、女性シェフがエリゼ宮の軋轢で悩んでいる夜のキッチンに、一人で大統領がゆっくりとやってくるシーン。そして、素材の味をたくみに引き出したおふくろの味を楽しむ。

 ● フランスのエスプリがたっぷり

 フランスパンにこったバターをたっぷり塗り、厚切りしたトリュフを乗せ、いかにもおいしそうに、ワインを飲みながら口に運ぶ。

 そして、大統領は女性シェフに言う。

 「いじめられているようだね。私も、今そうだ」

と語りかける。さらに

 「でも、逆境、それは人生の唐辛子」

と独り言のように語り掛ける。いかにも人生は、料理同様、この唐辛子というスパイスがあってこそ豊になる、生きがいもそこに出てくるとでも言いたいかのようであった。

 困難を乗り切る。それが人生。

 少なくとも、ブログ子はそう受け止めた。

 この映画はフランス料理についてあれこれ語っているようにみえる。しかし、実は、もう一つ、

 豊かな人生とは、何かについて語っている。フランスのエスプリだろう。

 そのことは、主人公の女性シェフがエリゼ宮を辞職してから、料理人として再出発するにあたって、なぜわざわざ食料事情の窮屈な南極の料理人として、自ら望んで南極まで出かけたのかということからももわかる。エリゼ宮とはまるで対極の環境である。

 自分を、そして、田舎料理、おふくろの味こそフランス料理の神髄だという信念を鍛えるためだったのだろう。自分のつくる料理は、極限の隊員たちにも十分喜んでもらえることを確かめたかった。

 この意味で、この映画は、食を通じた人生論なのだ。

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