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岡村昭彦は写真も撮れるジャーナリスト

Imgp1422_1 (2013.11.04)  富士ゼロックスの隔月雑誌

 「GRAPHICATION(グラフィケーション」(2013年3月号)

を見ていたら、特集

 岡村昭彦が残したもの

というのを掲載していた。30年近く前に亡くなった岡村氏は、ベトナム戦争の報道写真で知られる。特集は

 「写真家であり、思索者であり、社会運動家でもあった岡村が問いかけたものの意味を、その写真と言葉を通して考えてみたい」

とその狙いを明かしている。

 特集にはいろいろ対談者が岡本について語っているのだが、ブログ子に言わせれば、それも一言で言えば

 岡本昭彦は、写真も撮れるジャーナリスト

だったということだろう。そう考えると、死後、多数発見された同氏の写真の意味がわかる。これを今まであまりに戦場カメラマンというカテゴリーに押し込めすぎていたように感じた。

 基本は、ジャーナリスト

なのである。そのことに気づいたのは、

 浜松市舞阪に拠点を持って活動していた岡村氏だが、その拠点の蔵書の中に

 浜岡原発や中部電力の資料が何冊もあることだった。

 特集によると、たとえば、

 「浜岡原子力発電所前面海域調査報告書」(昭和48年度分-51年度分)

という報告書がある。1号機と2号機の建設や運転が始まっていたころのものだ。単なる戦場カメラマンなら、このような難しい報告書に関心を持って集めたりはしないだろう。社会的な問題意識があった証拠である。社史なども大量に収集していることからも、このことがわかる。

 こうした蔵書(約2万冊)は、静岡県立大学附属図書館が岡村昭彦文庫として所蔵しているというのは知らなかった。

 ● 主語と状況が分かる写真

 2010年には、「岡村昭彦の会」を通じて、遺族から岡村氏が撮影した大量の未発表カラー写真が、東京都写真美術館に寄贈されたという。

 来年2014年7月には同美術館で、その展覧会が開催される。

 大変に興味のある展示となるだろう。この展示で、

 写真も撮れるジャーナリスト

という評価が定まるような気がする。

 つまり、カメラマンがよく狙う異常な写真ではなく、社会的な問題意識のある写真。写真家ではなく、ジャーナリストの目がとらえた主語や周りの状況もわかる写真が多くあるような気がする。

 ぜひ、来夏、訪れたい「岡村昭彦の写真」展である。

  よく、「核」前のR.キャパ、「核」後の岡村と比較されたりもする。

 しかし、それは多分、誤解だろう。キャパは戦場カメラマンであり、岡村はジャーナリストである。キャパからカメラを取り上げたら、何も残らない。しかし、岡村からカメラを取り上げても、ほとんど何も変わらず、活動を続けるだろう。

 このことを確かめる展覧会となる予感がする。

 それにしても、岡村昭彦氏が、ブログ子の暮らす浜松市に拠点をおいて活動していたとは、ついぞ今まで知らなかった。不明を恥じたい。

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