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自然を数字であらわす 名古屋市科学館

(2013.10.02)  所用で名古屋を訪れたついでに、先月末、名古屋市科学館(白川公園内)に出かけた。浜松科学館でボランティアをしていることもあり、興味を持った。

 Imgp0945 外観は右写真の通りで、なかなか規模は大きい。H-IIBロケットの実機のテスト用試験機が玄関口に置かれていた(当然だが、実機は打ち上げると宇宙空間に捨てられるので残っていない)。全体で50メートルくらいはありそうだ。ユニークな建物の球形ドームの上半分がプラネタリウムとなっている。

 科学館として、どんなコンセプトで来館者の興味を引こうとしているのか。それがひとめで分かる展示を見つけた。

 それが左下写真の

 自然を数字であらわす

というパネルである。重さ、長さ、時間の単位について、解説していた。

 おもしろいいざないであると感心した。

 ところが、この一見自明な考え方も、実は、歴史的にはなかなか理解されなかった。

 というのは、そもそも、数字であらわすためには、その前提として、

 Imgp1070 自然は数字であらわすことができる

という考え方がなければならない。そんれを見事に証明して見せたのは

 I.ニュートンの大著

 「自然哲学の数学的原理(プリンキピア)」(1987年、ラテン語)

である。古代ギリシャ以来、幾何学、つまりユークリッド幾何学では論証と証明ということで自然を理解していた。自然界は幾何学のように合理的にできていることは西欧人は古くから理解していた。

 それが、さらに、自然界のすべての現象は数字であらわすことができる。しかも、数学の式、数式であらわすことができるということを見事に実証してみせたのがニュートンなのだ。17世紀前半のガリレオなどもこれに近い認識を持ってはいたものの、それは幾何学的な比例の量(したがって幾何学同様、単位はない)についてであり、ニュートンのような単位を持つ絶対値の数式ではなかった。

 そんなことを考えながら、館内を一巡したのだが、開放的な休息コーナー(写真下)や、入り口玄関のエントランスホールのスペースを広く取り、多彩なイベントができるように工夫していたのが目を引いた。

 訪れた日のエントランスホールでは、巨大なロケットエンジンの前で、コーラス講演会のような集いが行なわれており、来館者も熱心に聞き入っていた(写真最下段)

 浜松科学館は、これらの点では、ずいぶん見劣りすると感じた。

 Imgp1064  Imgp1071 

Imgp1077_1 

 

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