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花火幻想

(2013.08.03)  夏まつりや花火の季節。その花火には、平和の象徴とか、華やかさのイメージがある。

 しかし、ブログ子には、幻想かもしれないが、どうも暗いイメージが先にたつ。

 ● 灰とダイヤモンド

 かつてのポーランド映画

 「灰とダイヤモンド」(アンジェイ・ワイダ監督、1958年)

のラストシーンが忘れられないからだろう。ドイツ敗北寸前のポーランドの地方都市。平和回復を祝う花火が鮮やかに夜空をいろどる。

 なのに、レジスタンスの青年が、ドイツ敗退で勢いづく地区共産党の幹部を暗殺する。そして、花火が打ち上げられている最中に、ごみ捨て場で追い詰められ殺される。ポーランド人の根強い反ソビエト感情を鮮やかに浮かび上がらせていた。

 ● 原爆模擬弾をつくった米軍

 先日、BS放送を見ていて、戦後、冷戦に突入したアメリカでは、核戦争に備えるために、大量の火薬の入った

 原爆模擬弾

をつくり、繰り返し兵士や将校の核戦争訓練をしていたことを知った。このとき、製造で活躍したのは、花火のメッカ、イタリア(フィレンツェ)からの移民花火師だったらしい。戦後とあって、それまでの花火商売は上がったりだった。しかし軍からの大量模擬爆弾発注を受け、息を吹き返したらしい生まれてきたのかもしれない。

 原爆の威力を示すものとして、TNT火薬に換算して1メガトン、というようなわかりやすい言い方のも、おそらくこうした背景があってのものだろう。

 ● 兵器発達史が支えて

 花火の起源は、今から1000年ほど前の中国やモンゴルだと言われている。黒色火薬を使った火矢であろう。

 日本人は花火は日本独自のものと思いがちだが、生まれは中国。育ちはイタリアなどヨーロッパ。15世紀から18世紀には大変にさかんだったらしい。

 日本に紹介されたのは鉄砲伝来の16世紀中ごろからで、織田信長や家康のころには、武器としてその重要性は十分に認識されていた。

 だから、今でも家康の本籍地、三河では年中花火が盛んである。たとえば、東海地方きっての花火と言えば、浜松弁天島花火大会であろう。

 このように花火はすっかり平和のイメージが定着している。しかし、黒色火薬をめぐるその長い歴史を支え、打ち上げ技術を発達させてきたその裏には兵器開発があった。あの華やかな夜空の花火には、こんな「負」の歴史がある。

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