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「原爆と人間」展 イン 浜松市役所

Imgp0416 (2013.08.30)  今夏、来日したオリバー・ストーン監督の

 原爆は必要なかった 

というメッセージが大きな話題になった。先日、BS1でも、「オリバー・ストーン氏と語る」という番組が放送されていた。

 戦後の国際政治をにらんだアメリカ(とイギリス)の主導力確保と、対ソ連けん制が投下の目的である。確実視されていた日本の降伏のどさくさに付け込んで、大急ぎで必要もないのに投下したといういうわけだ(どのように大急ぎだったかは、先日のこのブログで原爆開発科学者たちの証言などを通じて詳しく取り上げたので、ここでは繰り返さない)。

 つまりは、許すことのできない非人道的な行為というわけだ。

 ● 原爆投下は必要なかった

 こうした事実は、アメリカではほとんど知られていない。もっぱら、アメリカ軍の被害を最小限に抑えるためには必要だったというのが、一般的な受け止め方。アメリカでは投下の正当性を疑うのはごく少数派。

 降伏の引き金になったソ連参戦についても、アメリカの若い人たちの多くは知らされていない。

 これに対し、日本人は、原爆投下は絶対悪というのが一般的であり、必要なかったという見方が普通だ。

 Imgp0423 たとえば、先日、浜松市役所の正面玄関で

 「原爆と人間」展が開かれていた(写真上)。

 静岡県原水爆被害者の会(西遠支部)の主催。静岡県では、アメリカの水爆実験で「死の灰(放射能)」を浴びた第五福竜丸ビギニ事件(焼津市)の被害者もおり、原子爆弾だけでなく、それより強力な水素(核融合)爆弾も含めて原水爆被害者という意識が強い。

   この展示では、

 なぜ原爆は投下されたか

というパネルで、敗戦翌年にまとめられた米戦略爆撃調査団報告(1946年)を挙げた上で、

 「日本への原爆投下は、大戦後のソ連との勢力争いに備えて、アメリカの〝威力〟を見せつけることが目的」

と結論付けている。その根拠として挙げた調査団報告が、

 「原爆が落とされなかったとしても、ソ連が参戦しなかったとしても、日本は確実に、1945年11月1日の米軍九州上陸作戦予定日までに降伏していただろう」

と分析しているからだ(写真中= 同展パネルから)。

 また、もう一つ実例を挙げれば、ストーン氏が訪れた広島平和記念資料館(広島市)にも、写真下に示すように「投下の要因」という、ややあいまいな表現で、

 投下の必要性に疑問

を投げかけている(上記のストーン氏出演番組画面(8月24日深夜)から。写真をダブルクリックすると拡大)。先の「原爆と人間」展の投下理由と、基本的には同じである。

 ●何がアメリカのゆがんだ歴史認識を許したか

 Dsc023096bs1 上記番組に出演したストーン氏は、激しい調子で

 唯我独尊的な自国、アメリカの偏った歴史認識

を批判していた(写真右=8月24日深夜の同番組画面から)。

  その小気味よさにつられて、日本の大マスコミが総合テレビではないとはいえ、嬉々としてストーン番組を放送するのは、いかにもレベルが低くないか。司会がアナウンサーだったことも、このことを裏付けており、印象的だった。

 Dsc02301 なぜなら、ストーン氏は、日本のマスコミに対しても、極端なアメリカ追随報道について、講演などで痛烈に批判しているからだ。このことはどの新聞マスコミもほとんど取り上げていなかった。このことがアメリカのゆがんだ歴史認識を許してきたといいたいのだろう。

 アメリカのゆがんだ一面的な歴史認識を批判するのは簡単だ。だが、それを許してきたのは誰なのかを問うとき、わが身に跳ね返ってくる。

 アメリカに対しても、言うべきことは、言うべきときに言う。マスコミ人として、このことを肝に銘じたい。

  ( 写真下 = 浜松市役所の展示会場。今話題の『はだしのゲン』(中沢啓治、汐文社、1970年代なかばに刊行された単行本)が、教育上問題があるのかどうか、自由に内容が読めるよう展示されていた。とくに教育上このましくないとおもわれるような記述はないように思えた。2013年9月5日撮影 )

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