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目からウロコの「おうちの科学」 

Image1735 (2013.07.11)  コンビニストアの一角にずらりとペットボトルが並ぶ清涼飲料コーナー。夏本番の今、飛ぶように売れている。

 透明なボトルにはさまざまな形状がある。がしかし、ブログ子は、恥ずかしながら、一度もそのボトルの形や構造の違いには合理的な理由があることには気づかなかった。

  それはただ、デザインの違いにすぎないと漫然と思っていた。 

 ● ペットボトルは円筒形か角形か

 ところが、先日の6月30日付中日新聞家庭欄「ファミリー」の

 おうちの科学

に、目からうろこが落ちるような記事が載っていた。

 ペットボトルの形状には中身に応じて3タイプ

というサイエンスライター、内田麻里香さんの解説だ。

 ペット(PET)とは、正確には、石油からつくられるポリエチレンテレフタラートの略称。わかりやすく言えば、可塑性の高級プラスチック。可塑性といっても、熱に弱いものもあれば、強いものもある。

 透明ペットボトルの容器を円筒形に成型するか、それとも角形にするか。それは中に入れるもの性質によって決まる。

 Image1739 中身を入れたあと、内部にガスなどの圧力がかかるものは、破裂などで容器が壊れないよう均等に圧力がかかる円筒形にする(注記)

 だから炭酸飲料やコカコーラなどのボトルは円筒型になっている。ガスタンクが円筒形、あるいは球形なのと同じ理由。

 缶ビールを開けると、プシューと音がすることでもわかるが、開ける前には強い膨張圧がかかっている。だからペットボトルよりも強い缶で、しかも円筒形になっている。

 これが、角形の缶ビールや、ペットボトルビールがない理由ということになる。

 一方、殺菌するため熱い液体を詰める場合には、陳列時に冷やされて内部の体積が縮む分、内部圧力が減少する。押しつぶされないよう内部減圧に強く、潰れにくい角形ボトルにする。

 だから、製造過程で紅茶とか、日本茶、ジュースなどの熱いものを詰めるボトルは基本的に角形。

 ● 注ぎ口の白い首輪は何のため

 減圧となる熱いものを詰める場合、透明ペットボトルが変形しないようにすることも必要。このため直接注ぎ口が、熱に弱い透明ボトルに接触しないよう

 ボトル注ぎ口全体に首輪のようなつなぎリングキャップ(熱に強い不透明な白色プラスチック)

を装着している。このため熱い紅茶や日本茶を注ぎ込むボトルには、ほとんどこの白い首輪がついているというわけだ。

 一方、発泡性のない冷たい液体をそのまま詰めるスポーツ飲料やミネラルウォーターボトルにはこの白い首輪は必要がない。すきまなく商品を並べるのに好都合な角形が便利なのである。わざわざ成型の難しい円筒形にする必要がない。

 こう考えると、注ぐと内部が加圧されるものと、減圧されるもの、それぞれに白色リングキャップの有無に分類できるから、全部でボトルには4タイプあるように思う。

 しかし、加圧の円形の場合には、透明なボトルを変形させるような熱いものを詰めるケースはほとんどない。たいてい常温だ。つまり、形が円筒形のボトルには、注ぎ口に白色キャップはつける必要がないので、大きく分けると

 Dsc02011_2 ボトルの形状は、3タイプ

となる。

  フランスの水、ボルビックなどには、注ぎ口に白いプラスチックはない(写真下、角形ボトル)。製造工程において、ボトルに熱いものを詰める必要がないからだろう。

 ● 余談 雑プラスチック発電

 余談だが、

 透明ボトルは高級プラスチックとして再利用するため別途資源回収し、もう一度ペットボトルとしてリサイクルされる。二度のお勤めである。

 これに対して、透明ではないラベルなどは、つまり不純物の多いものは同じプラスチックでも、

 いわば低級プラスチック、あるいは雑プラスチック

として「容器包装プラ」マーク分別する。いわば劣化したこちらのほうは、また透明なボトルとして二度のお勤めをすることはないというわけだ。

 しかし、いずれも石油からつくられるので、燃料としては申し分ない。プラスチックというものはどんなものでも、熱に強い弱いに関係なく、最後は燃料として最後のお勤めができるありがたい資源なのだ。もとは原油なのだ。だから、火力発電の一種、

 雑プラスチック発電

というのはどうだろう。

 熱効率が課題なのだろうが、厄介なものとして、土中に埋める処分はもったいない。最後は燃料として使いたい。

 「おうちの科学」という身近な科学から、いろんなことを思い浮かべることができた。解説者のライターに感謝したい。

  ● 注記 丸形は減圧には弱い

 膨張圧には滅法強い丸形ボトルだが、半面、減圧にはぐしゃりと潰れて弱い。

 角形と、丸形のボトルに空気を入れて、きつくフタをして、冷凍庫に入れておく。すると角形にはそれほど変化がないのに、丸形は空気が冷えて縮んだ分の減圧で、ゆがみ潰れかかっている。丸形は、角形に比べ、内部減圧には弱いことが、これでわかる。

 この記事には、こうしたわかりやすい

 おうちの科学

がなかったのは、少し残念。

 意図的に書かなかったように思う。記事を読んだ読者に自発的な実験を思いついてもらいたかったからだろう。

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