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このごろ日本で流行るもの

(2013.06.14)  ブログ子の敬愛する宇宙物理学者、池内了さんが、中日新聞の文化欄「時のおもり」におもしろいことを書いている。

 B787に重なる原発再稼働

というのだ(2013年6月5日付)。要するに、原発再稼働にしろ、B787のバッテリートラブルにしろ現代人というか、とりわけ政権与党は急ぎすぎているのではないか、と性急さを戒めている。この背景には経済事情があることは、国民みんなが知っている。

 ● ささいな事故の恐ろしさ

 Image163920130605 福島原発事故も、B787バッテリー改修騒ぎも、いまだ根本的な原因はかいもくといっていいほどわかっていない。

 それなのになぜそんなにも急ぐのか。今以上の重大事故が起きるのではないか。

 原発事故については、これまで何度もこの欄で書いてきたので、あまり多くは語らない。が、原子炉の中の水の状態を中央制御室に正確につたえなければならないはずの水位計のちょっとした狂いが、破局を招いた可能性が指摘されている(政府事故調委員長の仮説)。大仕掛けの原子炉の構造に比べれば、ほんのわずかな、とるに足らない計器の設計ミスが、巨大事故の根本原因である可能性だ。

 ● もんじゅのナトリウム漏れ事故との共通点も

 原発事故では、わたしたちはまだ事故の本当の姿をとらえていない。事故の全体像を捕らえていない。なのに再稼働というのはどう考えても恐い話だ。

 このことは、ナトリウム漏れ事故を起こした事故でもいえる。この事故原因は、なんとだれもがなんの注目もしていなかったナトリウム温度計のごくささいな設計ミスだった。これが、ナトリウムの流れによる共振で冷却装置を破壊した。国をゆるがす大事故を引き起こす引き金になった。

 B787のバッテリー事故も、それ自体はたいした事故ではないのかもしれない。しかし、発火を抑えるあらゆる改修をしたことは、かえって危険ともいえる。これまで発火が起こることで未然に大事故にまで進行しなかったものが、改修で大事故を引き起こすことが十分考えられるからだ。

 この場合も、バッテリー発火事故事故の全体像はつかんでいない可能性が高い。

 というのも、運行再開が始まって2週間がたつが、国内だけでも表示不具合など一見ささいとも思える10件近いトラブルが相次いで報告されているのが気になる。バッテリーが発火するようになっていたときにはなかった出来事のように思える。

 ● 補遺 アエラも、ドタバタ劇を皮肉る

 Image164420130617 蛇足だが、原発の再稼働にからんだ自民党の動き、経済論理については、最近の

 「アエラ」2013年6月17日号に詳しい。タイトルは

 どさくさ再稼働の巧妙

というもの。中身に新味はないが、

 規制委へじわり圧力、事故調の成果にもフタ

となかなか辛らつな書き方になっているので、おもしろい。池内さんの話の政治版として読めばわかりやすい。

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