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「浜岡」に対する静岡県民の総意とは何か

(2013.06.17)  静岡県知事に、原発再稼働に慎重な現職の川勝平太さんが過去最多の100万票超という圧倒的な支持をうけて、再選された。

 これで、浜岡原発の再稼働に対する知事の基本姿勢は明確にわかった。

 ● 住民投票はすべきが総意

 次の焦点は、南海トラフ「浜岡」に対する県民の総意はどうかということである。

 ところが、原発の再稼働に対する住民投票条例づくりの直接請求が昨年、県議会で頓挫したので、正式には現在のところわからない。

 Image165620130611 しかし、この選挙の関連で、中日新聞東海本社が行なった県民1000人世論調査の結果がよい手がかりになる。浜岡原発の再稼働の是非と、再稼働についての住民投票の賛否の結果が2013年6月11日付朝刊に掲載されている(写真。注記)。

 住民投票に「賛成」が39%に対し、「反対」は7%。再稼働をめぐる住民投票はすべきだというのが、県民の総意といえるだろう。これははっきりした。

 ● 比較第1位なら総意は再稼働「賛成」

 それでは、一度は挫折した投票条例づくりだが、仮に実施したとしたらどんな総意が得られるのだろうか。

 それは、投票の結果の決め方によるが、仮に過半数の意見を県民の総意とすると決めたとする。

 すると、世論調査では

 再稼働「賛成」は39%、停止継続32%、ただちに廃炉26%

なので、いずれも過半数に達せず、総意は決められない、総意はないということになる。

 また仮に、最も多い意見を総意とするならば、

 再稼働「賛成」が静岡県の総意

ということになる。

 いずれにしても、ブログ子などが求めている

 ただちに廃炉

というのは、総意にはならない。

 総括すると、「ただちに廃炉」派を確実に比較第一位にするには、「停止継続」派の大部分、25%分以上を取り込む必要がある。これは「停止継続」の約8割を取り込むことに相当し、なかなかハードルは高い。

 このくらい取り込めれば、過半数を総意とするという厳しい条件もクリアする。確実に、

 静岡県民の総意は「ただちに廃炉」という県是

が確立することになる。

 ● 住民投票へ議論を煮詰めよう

 再選を果たした川勝知事の任期後半には、確実に浜岡原発の再稼働が県政の大きなテーマになることは確実である。

  川勝知事は、再選直後の記者会見で浜岡原発の再稼動について

 「現状は条件が整っていない。この現状は今後相当長く続く」

との厳しい見方を示し、今後4年間の任期中に再稼動の是非を判断するのは困難との見通しを述べている(中日新聞2013年6月19日付朝刊)。同記者会見では、再稼動の是非について住民の直接請求に基づく住民投票をすべきであるとも強調している。

 結論として、知事の意見を聞くまでもなく、今のような再稼働について県民の意見が大きく三つに分かれている状況は、安定した県政運営にとっても好ましいことではない。県民の総意を明確に打ち立てるしっかりとした県民レベルの議論を今から煮詰める努力が、県民側はもとより、行政にも議会にも求められる。

 注記

 この調査は、RDD方式といって、コンピューターを使った電話世論調査。調査員による面接方式に比べて荒っぽく、応対の無機質な面がいなめない。回答者にある程度考えさせる時間的な余裕をほとんど与えていない欠点がある。即答型なのだ。

 したがって意見集約の精度がそれほど良くないことが知られている。このことから、あまり細かい議論や結論を引き出すことはできないことに注意すべきである。おおよその傾向をつかむのには便利であろう。

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