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「源氏物語」をどう読むか

(2013.06.06)  円地文子さんの現代語訳『源氏物語』(全10巻、新潮社)を読み始めている。理系出身のブログ子なのだが、やはり日本人として世界に冠たる古典、

 源氏物語

ぐらいは読んでいないのは恥ずかしい。

  ようやく、文章のくせにも、登場人物の相互関係にも慣れてきた。光源氏の最悪の状況を記述した「須磨」の章あたりまでは読んだ。これから復活の物語が始まるところだ。

 Dsc0166320130606bstbs_2 だが、しかし、どうもまだ波に乗れなくて、登場人物の心理の奥にぐんぐん引き込まれているというわけでもない。

 早い話、古典の魅力を堪能するまでには至っていない気がする。源氏絵の世界に遊んでもみた。それでもなお、男と女の心理の奥の奥までは読み取れていない。

 どうしたらいいのか、と思っていたら、BS-TBSで

 私の源氏物語 魅力 引力 古典の力

というのを放送していた。要するにその中身は、

 ドナルド・キーンさんと、瀬戸内寂聴さん

の講演を収録したものである。

 Dsc0168320130606bstbs_2 キーンさんの話は、まあ、まあ、ありふれた話でハッとするようなものはなかった。日本に帰化したとはいえ、しょせん外国人。だから、これは仕方がない。ただ、しかし、『源氏物語』を世界に広めてくれる貴重な人材であることは間違いない。

 ● 近代的な「宇治十帖」から読む

 これに対し、瀬戸内さんの話には、ハッとさせられることが多かった。さすが源氏物語のわかりやすい現代語訳を一大決心で10数年前に完成させた作家だけのことはある。

 円地文子さんがこれまた一大決心をして現代語訳に取り組んでいた現場を同じ屋根の下でまじかにみていた。そんな若き日もある瀬戸内さんなのだが、そのエピソード話は余裕綽々。しかもユーモアたっぷりの話ぶりなのでおもしろかった。

 しかし、講演の要点、ポイントというか、それを一言で言えば、たとえば

 「(最後のほうの)宇治十帖はとても近代的。ここから読めば、おもしろい」

と、初心者の読み方の勘所を話してくれていた。たとえば、記憶喪失という現代的な話も出てきて、わかりやすいというのだ。実作者らしい鋭い指摘だ。平安文学に関心を持っていても、今の世の中の出来事を鋭く観察する眼力がある作家だからこそできるのだろう

 こんなことは凡庸な研究者にはとても言えないし、指摘できない。

 実行してみようと思う。

 (写真は、ともにBS-TBS「私の源氏物語」(2013年6月6日夜放送)の画面から)

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