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オオカバマダラよ、お前はそんなにも

Dsc0159520130509 (2013.05.11)  100年以上前の昆虫好き、A.ファーブルが、この映像を見たら、どんな感想を持つだろうか、と思った。

 観察された昆虫の本能の驚くべき精妙さは、進化論などでは到底説明できないような不思議さをもっている。このことを、彼はその畢生の大著『昆虫記』で、繰り返し強調した。

 この映像というのは、先日、BSプレミアムで放送された

 オオカバマダラ 神秘の蝶、驚異の大冒険

という番組(初回は2007年放送)。この蝶が、大集団でカナダから、生まれてから一度も行ったことのない越冬地、メキシコまで一斉に数千キロを旅するドキュメンタリーである。

 全編、これ感動の物語だった。昆虫の本能の驚くべき精妙さにあふれた北米大陸縦断の記録といっていい(写真は渡り中のオオカバマダラ。番組画面より)。

 ● 大冒険の秘密は遠い過去の記憶か

 別の実例で言えば、最近解明された日本から南太平洋のある狭い特定海域への数千キロにもわたるニホンウナギの大回遊にも匹敵する習性である。

 ブログ子の結論を先に言えば、番組では言及されていなかったが、習性の秘密は、

 ニホンウナギの例と同様、蝶の生殖と深くかかわっている。この集団移動は、遠い過去の記憶が、たとえば北米大陸の大陸移動とも関係する過去の記憶がかかわっている。もう少し言えば、進化論的に蝶の脳などの体内に、それらが遺されている証拠なのかもしれない

というものだった。その意味では、この行動は進化論を否定するものではなく、むしろ進化論と整合性がある。

 こうした生き物の行動には、日々生きるための捕食と、世代をつなぐ生殖との二つが必ずかかわっているとブログ子は考えている。

 それにしても、この番組を見ると、ファーブルならずとも、果たして進化論によってこの蝶の行動を説明できるのだろうかという気持ちになることは、なる。

 なにしろ、この蝶は、カナダで、卵のふ化と蛹の羽化によって3から4世代の発生を繰り返した後、秋口になると、その新しい世代は、なぜか周りの蝶とは交尾をしないまま、いっせいに南に向けて集団移動、つまり越冬のための渡りを始めるというのだから、不思議だ。

 ● 自然エネの飛翔と体内コンパスも

 思うに、その合図には体内の特殊なホルモンがスイッチとして関係しているような気がする。

 数千キロのルートを地理的にみると、出発地がロッキー山脈の東側を出発した蝶は最終的にはメキシコのある山間地へ。ロッキー山脈の西側を出発した蝶は米カリフォルニア州のある特定の越冬地に集結する。

 想像するに、これらの二つの地域は、かつてつながっていたに違いない(番組ではこの点には触れていない)

  大集団それぞれは、レーダーでも捉えられるくらいの巨大な塊である。大部分の蝶は途中で死亡するのだろうが、それでも数か月かけて目的地に到着するのは数百万匹とか数千万匹とかいうものすごい数であろう。

 渡りでは、エネルギーの消耗をできるだけ抑えるため、上昇気流を読んで、巧みにそれに乗り飛翔する。まるで、ハングライダーのように。自然エネルギー利用の手本のような冒険である。

 行く手に巨大な湖がある場合には、追い風になる時間帯まで待機する。気象学者顔負けのテクニックを駆使する。

 南へ、南への方向も間違わない。一度も訪れたことのない越冬地まで、正確にたどり着く。おそらく地球の地磁気を巧みに利用しているのであろう。体内コンパスであり、まるで伝書鳩のように。

 あるいは、ある特定の松の木まで、いわばピンポイントで、祖先と同じ木にたどり着くらしい。となれば、地磁気だけでなく、人間にはとらえられない、太古のにおいにひかれて、その記憶を旅しているのかもしれないと想像したりもした。進化論的なにおいである。

 ● 春先では一転、ばらばらで交尾の北上

 不思議なことに、越冬後の春先には、一転、交尾をしながら、テキサス州など、今度はばらばらに北に向う。まるで、新しい血をまきちらすかのように。

 そして、再び、元のカナダの地に舞い戻るという。そして、3ないし4世代後には、秋口に入ると、再び、交尾をする前に、南への大冒険に新しい世代の蝶たちは、大挑戦の旅に出る。

 まるで、近親交雑では子孫繁栄はかなえられないということを知っているかのようだ。番組では、何も言わなかったが、

 大いなる渡りは、近親交雑を回避するため

と想像した。そのために、生殖回数が一定に達すると、新しい血を種に取り込むために、ホルモンにスイッチが入り、遠い遠い、蝶の大祖先の地に向って大集結し、交雑する。

 なんと合理的な行動なのだろう。そんな想像を、ついついしてしまった。

 深夜の番組だったので、晩酌気分もあって、渡りの不思議さを随分と素人勝手に想像してしまった。

 専門家らしい解説については、以下を参照してほしい。

 オオカバマダラの壮大な渡りについては、

 http://www.pteron-world.com/topics/world/monarch.html 

が参考になる。BSプレミアムでは、わかりにくかった部分が丁寧に、しかもきちんと解説されていた。

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