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佐鳴湖の〝定期健康診断〟  水質調査

(2013.05.21)  以前、このブログで、小さな汽水湖、佐鳴湖は、浜松市という都市環境にのみこまれてしまうのか、それとも独自の自然環境を維持する湖になるのか、今、その分水嶺にあると書いた。

 Image1534 その後、読者から、大変に見事な現状分析だが、分析だけでなく、だから具体的にどうしなければならないのか、何か自ら積極的にかかわることが必要ではないか、とお叱りを受けた。

 その通りだと反省した。湖から恩恵を受けとるだけでなく、その恩恵に報いるお返しが必要だと気づいた。

 ● 湖の健康診断に参加

 そんなこともあり、先日の土曜日、静岡県浜松土木事務所が開いた恒例の

 佐鳴湖水質調査

に参加した。湖の将来を担う子どもたちが多く参加していたのは心強い。

 都市化で汚れが目立つ湖の南岸を中心に、5か所で、水温(23.1度)、塩分濃度(約0.6%と海水の5分の1)をはじめとして

 湖水のにおい確認

 アオコ発生の確認

 酸性度(pH)測定

 白い円盤を沈めて湖面からどこまでなら見えるかの透明度の測定

 くみ上げた湖水がどの程度にごっているかの透視度の測定

 水の中の有機物を化学的に分解するのに必要な酸素の量COD(mg/L) の簡易測定

 水の中にとけている酸素の割合DO(mg/L)の簡易測定

 植物プランクトンが含まれている割合のクロロフィル簡易確認

 アンモニア毒性濃度の簡易測定

 湖底の汚泥のにおいなどの確認

 水生の生きもの調査(湖底の仕掛けと、水面近くのタモ網。写真上= 漕艇場前、写真中=入野漁協船着場)

 水辺の植生(水生植物調査)

を調査した。写真下2枚(船着場)が生きもの観察の様子。グループに分かれて、1か所わずか1時間足らずで調べるのだから、専門知識を持つリーダーや調査に付き添う調査員がサポートしてくれるとはいえ、かなりくたびれる(写真)。

 Image1539 調査に参加した感想を一言で言えば、

 独自の自然環境を取り戻すには、まだまだ

というもので、とても、昭和30年代のような

 泳げる水質環境

には、現状はほど遠いというものだった。

 平たく言うと、遠くからみていると湖水は一見、きれいに見えるが、調査でよくよくまじかで見ると、きたない。

 そんななかでも、生きもの、たとえば、テナガエビ、ハゼなどがたくましく生息していた。貴重品になってしまった佐鳴湖産ニホンウナギも天然状態で生息していることも知った。 

 季節変化も体験するには、四季を変えて調査に参加することが大事だろう。たとえば、夏場はCOD値が高くなり、透視度は悪くなる、すなわち低下することが予想される。

 ● COD値中心主義をこえて

 Photo ただ、参加して気づいたのだが、何をもって「汚い」「濁っている」というべきか、あいまいだということだった。

 というのは、あまりにきれいで蒸留水のような水では、COD値はゼロだが、生きものは生息できない。餓死する。COD値は低ければ低いほどいいとは言えないのだ(佐鳴湖のCOD目標値=5mg/L)。

 適度に「汚い」。これが難しい。

 もう一つ気づいたのは、水質だけでなく、湖面から聞こえてくる水や風の音、生きものの鳴き声なども、環境を美しいと感じる大事な要素であるということ。

 人工の音が自然の音より多いと、どうしても美しい環境とは感じない。調査した都市化の南岸より、北岸が自然が豊か、美しいと感じるのは、このせいかもしれない。

 Image1540 そんな、こんなで、わが街の湖の、いわば健康診断をしたわけだが、

 全快とまではいえない

ということだろう。全快といえるためには、かつて縄文人がたくさん食べていた

 シジミなどが自然繁殖し、よみがえったとき

との印象を強くもった。

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