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1月遅れの「5月ばか」 ? 鋭い「朝日」記事

Image996 (2013.05.02)  5月1日付の朝日新聞朝刊(13版)を見て、びっくりしてしまった。

 わかりやすく読み解くという「きそからわかる黒田緩和」という解説記事(3面)に

 金融緩和すると金利が下がるの?

という質問。これに対して、

 国債を大量に買うからだよ

とズバリ回答している(写真)。ところが、驚いたことに同じ日付の1面準トップ記事の見出しは

 住宅ローン金利上昇

 大手銀・今月 緩和の狙いと逆

というニュースが出ている。国債の買い控えが起きたというのだ。これでは、読者は

 どうなってんじゃ

となるだろう。

 準トップ記事によると、黒田新総裁の大緩和で大手銀行は大量に国債を買うだろうと思っていたら、さにあらず。大手銀行は今後の金利の低下を見越して、逆に今、国債を買うことを手控えたという。当然、これでは国債の価値は下がる。したがって国債の金利は上がる。

 だから長期金利の目安となる国債金利に連動する住宅ローン金利も上昇した

というわけだ。

 もっとも、黒田緩和が日銀から打ち出された直後は、国債金利は思惑通り、下がった。しかし、下がったが、金融機関などの市場は、今後も続く低金利という利幅の小さい財産を長く持っていてもしようがない、売買手数料なども考えると儲けどころか「足」がでかねない。国債を買うのを手控えたほうが賢い。そんなことから、市場では、じわじわ金利が上がりだし、一週間後には打ち出す前より、金利はかえって高くなった。わかりやすく言えば、そうなったらしい。

 市場とは、かほどに複雑な思惑が交錯する場。日銀だけの単純な思惑だけでは動かない。

 こうなると、果たして、この〝講釈〟すらも、市場の思惑を正確に反映したものかどうか、つまり本当かどうか、あやしいものだ。まさに市場は生き物だが、結論的に言えば、

 畢竟、経済学の言うこと、解説は当てにはならない

ということだろう。

 当てにはならない原因は何か。経済学には、たぶんに裏読み、先読み、藪にらみが交錯する総合的、心理的なものだという社会心理学的な面があるからだ。経済学にはそれを組み込むほどの力量はない。つまりは明快なきちんとしたサイエンスではない。このことを思い知った1カ月遅れの「5月ばか」の記事だった。

 このことを、1面と3面の紙面をタイミングよく連動させて、物価問題は社会心理学の分野だと喝破し、実証してみせた朝日新聞は、皮肉ではなく、なんとも鋭い。

 最近では、朝日新聞も、安倍政権寄りになるなど右傾化したとの見方があるが、経済紙面ではまだまだ、他紙よりはましなような気がする。経団連の広報誌的な性格の日経新聞を読んでいただけでは、経済の動きはわからない。

 しかし、よく、よく考えてみると、ものの値段が、たかが役人からなる日銀の思惑通りに動くと思うほうが、おかしい。

 物価安定の番人のはずの日銀なのに、政治の仕事を背負わされて、物価を上げるのに政策を総動員したりして躍起になるなんて、今の日銀(の頭)は、どうかしている。日銀は、いつかこのツケを払わされるだろう。これがブログ子の結論だ。

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