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多様な視点を忘れまい 経済被害の想定

(2013.04.12)  科学ジャーナリズムも、ジャーナリズムの一分野なのだから、当然だが、物事の問題点を論ずるには、多様な視点で見極めることが大変に重要になる。

 このことを、ブログ子はいつも戒めている。だが、これがなかなか難しい。常識を疑ったりもする。話がうますぎるのも危険なのだ。眉につばをつけてみる。が、つい、つい、ころりと騙されることも多い。

  •  ● 南海トラフ、経済被害総額「220.3兆円」、ホント?

     たとえば、前月、防災相も同席した国の南海トラフ巨大地震対策検討会(河田恵昭主査)の有識者会議でまとまった

     M9.1 津波高34メートル 経済被害総額 220.3兆円

    という数字。この「220.3兆円」というのも眉につばをつけて疑ってみる必要があるだろう。

     第一、被害総額が、有効数字4桁という超精密に算出していること自体、あり得ない数字。

      いかにも、詳しく調べて、正確に積み上げましたといわんばかりの数字であり、ごまかしくさい。そんなことできるわけがない。

     Image93820130401_2 そう思っていたら、『アエラ』(2013年4月1月号=写真)が

     南海トラフ(の経済被害総額)に騙されない

    という分析記事を掲載していた。

     ● 強靭化法案と「不自然な一致」

     要するに、自民党が提出し、昨年6月に廃案になった国土強靭化基本法案の

     10年間で総額200兆円の投資計画

    の数字と、今回の被害総額がほぼ一致するのは「不自然」(複数の専門家)だというのだ。

     今後、参院選挙で自公が過半数をとれば、今回の被害総額の算定が再提出されるであろう基本法案に利用される、つまり、法案の必要性や妥当性の裏付けにちゃっかり利用される

    という見立てを記事化していた。想定額は自民党に擦り寄った、いわゆる都合のいい「アワスメント」になっていないかというのだ。

     ふたたび、

     人よりコンクリートへ

    という政策が、「国民の命を守るため」という口実の下、自民党流の土建国家がまたまた再現されるというわけだ。 

     ● 慎みたい度外れた南海トラフ騒ぎ

     そもそも南海地震だけが危険であるかのように吹聴するのは、危険だとしている。なぜなら、南海トラフ以外では安全だと強調しているのに等しいからだという。油断がおこり、かえって被害は拡大するというわけだ。

     正常なリスク評価を、と書いていたが、そのとおりだろう。

     度外れた南海トラフ騒ぎ

    を慎みたいと、ブログ子も思う。時の政権、つまり自民党的な手法に、踊らされるのはジャーナリズムにもとる。ましてや、科学ジャーナリズムにおいては、リスク論的な合理性を尊ばなければならないからだ。

     何気なく、読んだ記事だが、示唆に富む内容だった。

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