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「同時多発災害」の心構え             地震、津波、原発の天竜川河口

(2013.04.03)  新年度に入ったからだろうか、浜松市に暮らすわが家にも、市役所から

 わが身を守ろう !

という防災の小冊子が届いた(写真上)。南海トラフ巨大地震はもちろん、台風などの風水害にも役立つようにつくられている。避難場所が書かれた地域の防災マップ、家族それぞれが連絡先などを記入できる「防災カード」がついていて、実用性がある。

 Image874 防災マップには、避難所の場所、がけ崩れや土砂災害の危険がある場所、救護病院の位置などが記されていて便利。だから、よく見えるところにはろうと呼びかけている。

 さらに、災害時、どのようにして防災情報を得るのかが、わかりやすく書かれている。いざというときに役立つだろう。避難所の学校の電話番号まで書かれているのには感心した。

 非常持ち出し、備蓄品の準備の仕方もあり、助けを呼ぶのに役立つ笛(ホイッスル)の用意も呼びかけている。

 ● 東海地震予測、天竜川河口付近が震度7  

 パンフレットを参考にわが家を点検していて、ふと、

 南海トラフ巨大地震が襲ってきたとき、もっとも揺れが大きいと予想されるのは、具体的にどこか

と心配になった。震度7とは、自分でとても立って入られない、家屋の30%ぐらいが倒壊する激震である。

 内閣府(中央防災会議)の「防災情報のページ」に、南海トラフ巨大地震対策検討チームが作成したマップ(写真中= 基本ケースの場合。陸域の震度分布図)が掲載されているが、これを見てブログ子はびっくりした。静岡県がひどいことになるのは、当然としても、その中でも

  最大の揺れ、震度7というのは、浜名湖東岸から天竜川河口付近前後

なのだ(静岡市は震度6)。つまり、浜松市と磐田市の海岸部。ここにはわが家も含まれる。

 これまでブログ子は、うかつにも最大の揺れは、かつて騒がれた静岡市など駿河湾あたりだと思っていた。が、どうやらこの新しいマップ(2012年8月改訂)では、浜松市寄りになったらしい。

 Image875201208 そういえば、浜松市南部、磐田市南部は、周りでは小さな地震がプチ、プチとかなりの頻度で起こっているのに、それがない「空白域」だと気づいた。ここは固着域(アスペリティ)とも言われており、プレート同士がピッタリとくっついている。だから、ひずみがたまる。それが、周りのプチ、プチに押されて、いつか一気に固着が外れて、巨大地震となるおそれがある。東北大震災はこれだった。

 地震の空白域= 次の巨大地震の発火点、すなわち、最大の揺れ

というわけだ。海域がどうなるのか、不明としても、震源がかなり陸域に近いことが予想される。

 ● 観光地図に、「浜岡」放射能危険地図を重ねる

 そこで、静岡県の観光地図に、浜岡原発に対する原発防災対策計画域(30キロ圏)と、放射能の危険区域60キロを重ねてみて、またびっくりした。写真下がわが家にあるそれなのだが、

 磐田市のほぼ全体が30キロ圏内

ということになった。これまた天竜川河口付近までが30キロ圏に入る。

 ということは、Image873 

 天竜川河口付近は、巨大地震で最大の揺れと、放射能汚染の危険が迫る地域

ということになる。

 しかも、南海トラフの震源が陸域に近いことを考えると、大津波が地震の強い揺れの収まる前に襲ってくることを覚悟しなければならない。その上、同時多発の場合、核暴走を食い止めるための原発の原子炉の緊急停止、いわゆるスクラムに東北震災のように運よく成功するとは限らないだろう。

 同時多発災害の恐ろしさ

である。同時多発災害では、人的な被害が最も多いとされる津波の避難などは、浜松市南部や磐田市南部の海岸沿いでは事実上できないことになる。そのほかの地域でも、地震で倒壊した家屋や火災で避難はとうていスムーズにはいかないだろう。

 ● さらに「黒い火山灰」の同時災害

 それでは静岡市など静岡県中部や東部は安心か、というと、そうではない。巨大地震に伴う富士山噴火で、放射能入りの大量の火山灰が降ってくる公算が大きい。この対策をどうするのかということは、対策はおろか、現在のところ研究すらなされていない。

 上記のパンフレットは、おおむね地震、津波、風水害ごとに、個々人の対策が示されている。しかし、大変むずかしいが、同時多発災害への備えも考える時期に来ていないか。

    ● わが事として考える

 2013年4月3日付毎日新聞に、中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策検討会の主査をつとめた河田恵昭(よしあき)さんのインタビュー記事が掲載されている。最終報告を前にインタビューした記者は、

 被害想定を意味あるものにするには、巨大地震を自分のこととしてとらえることが重要

と感想をのべている。正解だろう。

 減災対策は行政の仕事だが、被害想定を意味あるものにするかどうかは、私たち一人ひとりの意識であり、備えなのだ。

 わが身を守るのは自分。人事を尽くし、あとは天命を待つ

 これがこれからの同時多発災害と折り合いをつけていくときの

 私たちの心構え

だろう。行政任せだけでは、助かる命も助からない。

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