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科学ソムリエの心得  タングラムづくり

(2013.02.04)  科学を文化として考えてみようという思いから、ブログ子は浜松科学館(浜松市)で、ときどきサイエンスボランティアをしている。

Image659  たいていは小学生だが、就学前の子どもたちも相手にしている。科学を文化としてとらえるには、

 遊び心

がとても大切だというのが、少しずつわかってきた。

 先日は、参加人数は少なかったが、小学生といっしょに

 木で「タングラム」

をつくり、それで、いろいろ遊んでみた(写真上)。

 これがなかなか面白い。

 タングラムというのは、写真下のように、正方形の板を分割して、

 大きな三角形2枚、中くらいの三角形1枚、小さな三角形2枚、正方形1枚、ひし形1枚

合計で7枚にしたもの。これをいろいろ組み合わせて、写真に写っているような図形(影絵)をつくる。

 いわばシルエットパズルであり、子どもたちの知育のための図形(幾何学)遊びともいえるもの。

 まず、正方形の板に鉛筆でカットする線を定規を使って描く。次にその線に沿って電動糸のこぎりで分割する。ブログ子もそうだったが、電動のこなど、使ったことがないので、みんな慎重にカッティングに挑む。

 工作はそこまでで、たいていみんなもうまく出来上がる。

 そしてシルエット遊びに入る。影絵で示されている図形を、カットした7枚全部使って再現するのだ。

 ブログ子も、ボランティアであることを忘れるくらい熱中してしまった。

 しかし、写真にある「さかな」の形がいかな再現できなかった。テキストによると、5分くらいで小学生ならできるそうだが、20分かかってもついにできなかった。

 これに対し、子どもたちの中には意外に簡単に再現できた人もいた。なんとも悔しいので、家に帰って、夜、再び挑んで、3、40分くらいでようやく再現できた。その瞬間、そうか、そういう構造になっていたのか、という発見と感動があった。

 なかなか、できなかった原因は固定観念があったことや、パッとみてシルエットの向こう側がどうなっているのか、その幾何学的な把握力、想像力が足りなかったことだとわかった。だから、単純なシルエットのほうが、構造がみえにくい分、再現がむずかしい。

  かつて中学生のとき、図形の証明問題がブログ子は得意だった。うまいところに一本の補助線を引くことができれば、たちどころに証明ができた。タングラムはその直感力が問われる遊び。あれから50年、すっかりその得意技もさび付いてしまっていたことがわかった。

 それはともかく、このパズル、なかなか奥が深いと思ったら、なんと西洋では、200年も前から一般に普及していたらしい。

 Image662 できるシルエット図形の数も、数百種類もあるそうだ。中国では2000種以上の図形を示したパズル本まで発行されているという。このタングラムでいろいろな漢字がつくられていることも知った。一言で言えば、洋の東西にかかわらず、みんなこのパズルにはまっているのだ。

 ところで、高名な宇宙物理学者の池内了さんが、最近の

 現代科学の見方・読み方 科学の案内人

と題して、科学的なものの見方について書いている。このなかで、ご自分であみだした、サイエンスボランティア、あるいは池内さんの言葉で言えば、

 科学ソムリエの心得4か条

を紹介している(FUJI Xerox「GRAPHICATION(グラフィケーション)」2013年1月号)。要約すると

第一。伝えたいものは何か、その明確な目的を

第二。だれもが楽しめる工夫を

第三。「なぜ?」という問いかけを

第四。次の行動につながる具体的な示唆を

である。ブログ子の経験から、科学は文化であるという観点から、科学ソムリエの心得として、もう一つ付け加えるとすれば、第二とも関連するのだが、

第五。驚きや発見のある遊び心を

ということだろうか。手や足など参加者の体を使った遊びから、驚きや自発的な発見が生まれるなら、心得としては理想だろう。

 自ら工作してつくったタングラムのパズル遊びには、これがあった。科学ソムリエ自身も楽しめる工夫があった。

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