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各紙の世論調査を検証する

(2012.12.07)  世論調査などに惑わされずに、自分の頭で考えて、候補者の実績、あるいは候補者の将来性をじっくりと勘案して投票しようと、ブログ子は先日訴えた。今もそう思うが、

 世論調査の驚くべき素早さ

には、ほとほと感心した。ひどいを通り越して、すばらしい。

 Image13401206 何しろ、調査をした日の翌々には、何万人もの全国電話世論調査の分析結果が朝刊にでかでかと掲載される時代なのだ。無作為抽出によるといっても、電話番号などもコンピュータが自動的につくりだし、かけまくる。出てきた人に、だれかれなく、問いかけ、プッシュホンで選択肢を選ばせる。人間を介さない完全自動の調査なのだ。

 なにしろ、そうして無機質に集めたデータを分析しようにも、時間がないから、かなりいい加減な分析にならざるを得ない。

 巧緻より拙速を尊ぶ

の代表みたいなやり方だ。新聞社も、考えている暇などないのだ。

 今の選挙で言えば、公示日の4日と翌日の5日の両日に調査した結果と分析は、6日の各紙朝刊には1面トップに掲載されるのだ( 写真 )。戦後間もないときには、調査から掲載までは早くても1カ月はかかっていたのに比べると、隔世の感である。

 そんな12月6日付の朝刊各紙だが、各紙一斉に世論調査の結果が出ている。

 結論を先に言えば、1面を見る限り、ブログ子の地元、

 静岡新聞( 写真 )

が、一番まとまっていた。知りたいことが、きちんとすべて1面に出揃っていた。

 一番ダメだったのは、ブロック紙の中日新聞( 写真下 )。

 静岡新聞では、

 自民 単独過半数の勢い

と読者が一番知りたいことを横見出しに打っている。縦見出しは、

 民主激減 70前後か

としていて、具体的に書いている。共同通信社の世論調査をうまく、活用した。1面には、具体的な推定獲得議席数が、誤差を加味して一覧表にまとめている。見事である。

 しかも、地元はどうなのか、というもっとも読者の知りたいことについても、

 県内6選挙区で自民優勢 未決定47% 第三極伸び悩み

とズバリ分析している。8選挙区のうち6選挙区で自民が勝つといっているのだ。しかも、それがどの程度なのか、その根拠のグラフが選挙区ごとに1面に、とてもわかりやすく棒グラフで表示されている。

 見出しを見ただけで、読者の知りたいことは、すべて、しかも、具体的に数字で知ることができる。

 Image13386 これに比べて、中日新聞1面は、あろうことか、

 自民優勢 民主苦戦

と縦見出し。そんなことは、もはや読者は知っている。問題は、どのくらい自民が優勢で、どのくらい民主が苦戦しているのかという序盤の情勢を知りたいのだ。中部9県で3万人もの独自電話調査をしたのに、これでは、台無しだ。ひどすぎる( 注記 ) 。

 共同通信ではなく、独自の調査をした朝日新聞も、静岡新聞と同じ見出し

 自民 単独過半数の勢い

と打っている。民主100議席割れも 維新50前後か

と具体的に見出しを打っている。国民の関心がなへんにあるか、十分承知した上での見出しであり、世論調査とはいえ、訴求力がある。

 読売新聞も、独自に世論調査(約10万人電話調査)して、

 自民 過半数超す勢い

と打っている。連立の公明を含めると「300議席を超す」と本文では書いている。民主については、本文で「厳しい戦いになっており、大きく議席を減らす公算」としていて、見出しだけでは、詳しい様子がわからない。せっかくの大規模調査が紙面に生かされていない感が否めない。整理記者の腕の見せ所なのだが、それがなかったと言える。

 そんなこんなで、世論調査の楽屋裏を知ってしまうと、やはり、自分の頭で考えることの大事さをつくづく感じる。曰く。

 有権者よ、世論調査の結果に惑わされるな。自分の信念で投票を。

  注記 2012.12.13

 さすがに、中日新聞も、発行してしまってから、これはひどいと思ったのであろう。

 12月13日付朝刊1面。トップではないが、準トップで

 自民 過半数超の勢い 民主 100割り込む 4割投票未定 本紙世論調査

という記事を掲載している。共同通信社と中日新聞の独自取材という形を取っているのが、苦しい。

 補遺 脱原発の各党のスタンス

 今回の選挙の争点の一つは、原発政策の今後であろう。

 この点については、

 即原発ゼロ   共産党、民社党、新党日本

 段階的にゼロ  民主、未来、公明、みんな、新党大地

 ゼロにはせず依存度を下げる 自民、維新、国民新党、新党改革

となっている。 自分の頭で考える場合、科学・技術の視点からの政党選別のひとつの大雑把な基準にはなろう。

 ただし、廃炉にする基準、どの原発を廃炉にするのか、という点については、各党ともにあいまいな公約になっている。

 さらに突っ込んで言えば、原発ゼロの場合、再処理工場の取り扱い、最終処分場探しという「核のごみ」問題については、どうするのか、ほとんど公約には言及がない。

 また、ゼロにするにしても、しないにしても、たまる一方の、そして今回の原発事故で危険極まりないとわかった原子力発電所内部の使用済み核燃料の保管方法をどうするのか、具体策はまつたく争点にはなっていない。

 さらには、29トンものプルトニウムの処分をどうするのか、国際的な疑念を招かない方策はあるのか、という点に至っては、ほとんど議論すらなされた気配も形跡もない。

 いずれにしても、これらは、新政権の喫緊の課題になる。 

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