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ハーモニカと「貧」主主義 小沢昭一的こころ

(2012.12.12)  定年後、しばらく、ブログ子は、静岡市に本社のある新聞社につとめていたことがあるが、その時、駅までの夕方の送迎バス車内には、たいてい、

 小沢昭一の小沢昭一的こころ

というラジオ番組が流れていた。小沢さんが亡くなるまで、なんと、40年近く続いていたとは、当時、知らなかった。

 それでも、小沢昭一的こころというのは、何だろうと、帰宅する駅までの10分ぐらい、ときどきぼんやりと思ったものだ。

 そんな小沢さんが亡くなったというので、BSプレミアムで数年前の在りし日に収録した

 長時間の「100年インタビュー」

を放送していた。これを拝見して、そのこころがわかった。舞台に、映画に、ラジオに活躍した俳優、小沢さんのいう、

 小沢昭一的こころとは、ハーモニカと「貧」主主義

のことだと。

 Dsc00477 貧主主義とは、つつましい、そして、お金がない分、モノを大切にする経済小国をめざそうという意味であり、いかにも庶民に寄りそう小沢さんらしくていい。バランスのとれた経済小国、経済中国ではなぜいけないのか、とも嘆いていた。

  戦後は、経済的な豊かさや民主主義を叫ぶあまり、貧主主義の良さを忘れてしまったのではないかというわけだ。ひところのストイックな「清貧の思想」とは、また一味違った独特の言い回しだ。あえて言えば、

 めげない、したたかな「貧の思想」

ということだろう。

 ブログ子のような団塊世代にはなつかしいハーモニカ。この楽器には、モノのない戦後昭和の時代のこころ、つまり、お金がなくても心豊かに暮らしたいという思いがこもっていると、小沢さんはいいたいのだろう。うたうのが好きだった、そして民衆芸能をこよなく愛した人らしい。

 番組では、小沢さんが、胸ポケットから使い込んだハーモニカを取り出し、好きな

 東京ラプソディ

を吹いてみせてくれた。

 「貧乏はかまわない。それが、ぼくなんかを育ててくれたのだから」という小沢さん。でも、

 「戦争だけは、いけない。やめたほうがいい」

と最後に、しみじみと人生を振り返って語っていたのが印象に残った。戦争体験者に共通の思いだろう。

 インタビューの最後に、小沢さん、どういうわけか

 好きになった人

を、これまた、ハーモニカで吹いてくれていた( 写真 )。いわゆるエンディングのつもりなのだろうが、どこか、少し物悲しい気持ちにもなった。

 俳人、草田男ではないが、今年なくなった「放浪記」の女優、森光子さんといい、

 少しずつ、昭和も、そして民衆芸能も遠くなりにけり

ということなのだろう - 。

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