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何とか合格の朝日社説 参院「一票格差」

(2012.10.20)  たいていの人は、新聞の社説なんか読まない、意味ない、関心ないという「3ない」が常識だろう。

 新聞社でも、しゃあないと思っているのだが、それなら代わって、最近の「参院一票格差5倍」の最高裁判決「参院も違憲状態」について、ブログ子が一般紙をチェックしてみて、驚いた。

 2年前の参院選では神奈川県選挙区の一票の重みは、鳥取県のわずか5分の1以下という深刻さだが、各紙の社論があまりにずさんでひどい。そもそも主張がないのに書いている。

 朝日新聞がかろうじて合格という体たらくなのだ。国民ひとり一人に密接に関係する、しかも、参院が政局を左右するという喫緊の大問題なのにこんな風なのだ。これでは、天下国家を論ずると称している社説なんか読まないというのも無理はない。

 最高裁は判決で、もはや何「増」何「減」というような小手先の対応では、違憲状態を解消することは困難であり、限界と断じた。だから県単位の区割りをしている現行選挙制度そのものを根本的に見直すべきだと具体的に判示もした。全国をブロックに分けることを暗に提案している。それなのに、各紙の10月18日付社説は、主見出しで

 中日新聞「平等の実現に早く動け」

 産経新聞「衆参とも急ぎ格差是正を」

 日経新聞「1票の格差で立法の不作為は許されない」

 読売新聞に至っては

 「抜本改革へ最高裁の強い警告」

と、また毎日新聞も

 「抜本改革を突きつけた」

と最高裁判決の主旨そのものをそのまま主張している。ついでに

 NHKも解説委員による時論公論で「問われる政治の責任」

と、この種のものにはお決まりの見出しになっていた( 注記 )。改革案として、いろいろなものがあるとの解説に終始しているのが、新聞とは少し趣きが異なる。公平・中立でなければならないとする放送法上の限界がNHKにあるからだろう。

 いずれも、最高裁判決のオウム返し。判決を受けて、社説自体は何も踏み込んで主張していない。こんな楽な社説はないだろう。今のような地方区と全国をエリアとする比例区の仕組みでいいのかという問題だ。それを抜本改革するには、今立法機関の国会は何をするべきなのか、それを具体的に提案するのが社説ではないか。

 参院議員といえども、日本の憲法では、全国民の代表なのだ。何も県単位の区割りだから、県の代表というわけではない。

 さすがにそのことに気づいたのであろう、違憲状態を解消する抜本改革には、

 朝日新聞社説は

 まず、「参院のあり方論ずる時」

と主張している。参院の機能をどう位置づけるかという論点の提示だ。かろうじて合格だろう。これには、解散のない参院が政局を制している現状はどうかんがえても正常ではないとの基本的な現状認識も背景にはある。

 かつて参院議長が提案した全国9ブロック制の導入までは、朝日社説は具体的に提案しているわけではないが、それかそれに近い根本策をにおわしている。これだと、試算だが、格差は一気に2倍以内に解消する。

 手はあるのだ。しかし、現状を変えたくない現役参院議員の心理が事態を深刻化させている。この20年、ずるずると先送りしてきた原因がここにある。

 もうひとつ、各紙の社説を読んで思うのだが、主張するべき具体的な内容がないからか、朝日新聞を除く各紙の社説は、論理がゴタゴタしてわかりにくい。もってまわっている。

 天下の論説委員が書いた文章をけなすのは気が引けるが、わかりにくい。名文である必要はないが、もっとスパッとした切れ味のある達意の文章にしてほしい。社説書きに少しはかかわったブログ子でさえ、わかりづらいというのでは、話にならない。おそまつだ。

 このことは、読んでもらえる社説の(必要)条件でもあるのだ。

  注記

 わが愛する地元紙、静岡新聞に至っては、社説にすら取り上げていないのには、びっくりした。

 この日18日付の社説は、なんと、

 地震予知50年 「研究継続し、成果還元を」

という完全なるヒマダネの回顧社説。そのほとんどを50年前の、いわゆる予知のブループリントの話に終始している。極端な回顧社説。しかも、この主見出し、50年前につけてもおかしくないほどの陳腐なもの。せめて、新たな再出発を、と主張できなかったかと悔やまれる。前日から北海道函館市で始まった日本地震学会では

 学会「地震予知、現状は困難 学会改革計画」

としており、学会の地震予知検討委員会の名称を誤解を招かないよう、変更することまで決めている。なのに、しかも、そのことが同日18日付同紙第二社会面にでかでかと出ているのに、件の社説は「予知を取り巻く状況は厳しい」と書いておきながら、なんとこの学会のことには一言も触れていない。あたかも、そんな学会が函館で開かれていることなど知らないかのような書き方であり、不気味な異常さだ。

 これでは、わが愛する地元紙よ、しっかりしてほしい、といいたくもなる。

 さて、それはともかく、その18日付には、参院一票の格差については、まったく載っていないかというと、そうではない。社説ではないが、その下に共同通信からの配信記事

 「核心核論」 抜本的な改革が必要だ

をかかげている。「現在は格差を圧縮する「4増4減」案が参院で可決されたものの、政局の影響で、衆院継続審議となっている状態だ」「来年の参院選に向けて「4増4減」案を早く成立させつつ、抜本的な改革の議論をすぐにでも再開すべきであろう」と主張するなど、論理の道筋はわかりやすいし、書き方も明解。だが、この核心核論の主張は、静岡新聞社の社論ではなく、共同通信社の、いわば社論なのだ。

 これまた異常で、静岡新聞社には、社説を書く論説委員がいないのではないかと疑われても仕方あるまい。

 いとしいニュースとともに、いとしい社説もぜひ掲げてほしい。

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