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「人為ミス」という事故原因はあるか。ない

Image954 (2012.09.05)   米軍の輸送機、オスプレイの墜落原因について、「機体の構造に問題はなく、副操縦士が操縦マニュアルに従わない操作を重ねた人的ミスが原因」とする報告書を日本の防衛省はまとめた。そんな記事が8月25日付中日新聞夕刊に出ている( 写真 )。

 米側の調査結果と同じだが、複数の要因が重なって起きる組織事故において、そもそも事故原因が「人為ミス」ということはあり得るか。ないと思う。

 組織事故での人為ミスは結果であり、訓練されていたはずの副操縦士が、なぜマニュアルに従わない操縦を繰り返さざるを得なかったか、その原因を追及することこそが真の原因を突き止めることになる。

 死人に口なしとばかり、日本がアメリカに追従する必要はないのではないか。むしろ、人為ミスが原因というのは、真の原因を突き止める気がないことを意味しているととられても仕方があるまい。

 まもなくこの一連の事故の原因について、日本政府として最終判断をするという。人為ミスの原因は何か、きちんと解明すべきである。人為ミスでお茶を濁してはならない。

  オスプレイ事故だけでなく、実は、たとえば2005年4月にJR福知山線で起きた脱線事故の大惨事も若い運転手の「人為ミス」と最初は片付けられそうになった。しかし、よくよく調査してみるとそうではなく、それは結果であり、その結果を招いた原因は組織の体制にあった。長い年月の間に、効率重視の観点から、少しずつ〝安全マージン〟を削り取り、事故は起きるべくして起こっていた。この恐ろしい事実から目をそむけるべきではない。

 こうした考察には、

 ジェームズ・リーズン著『組織事故』(日科技連)

が詳しい。「人為ミス」説は、最初に結論ありき、の安易な、そして真の原因を覆い隠す危険な論理から生まれる。

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