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不思議な感覚「逆さまの地球」          SFの新「トータル・リコール」のような

(2012.08.24)  仮に、ロンドンで、地下深く、地球の中心まで掘り進み、さらに、そのままドンドン地球の裏側までまっすぐ掘り進む。そして、ロンドンから、パチンコの玉を落とすと、どうなるか。

 おおよそだが、イギリスの首都、ロンドンから落下した玉は、中心までは加速して落下。その後、今度は反対に減速しながら、ニュージーランドの首都、ウェリントンの地表でピタリと止まる。ロンドンとウェリントンとは、そんな位置関係にあるということを〝発見〟した。

 おそらく、首都同士がおおよそ、こんな位置関係にあるのは、地球ではここだけだろう。なにしろ、南半球の地表はほとんどが海洋で、陸地と陸地の関係になっているのは地球全体の面積の数%らしい。ブログ子の暮らす浜松の〝真下〟は、ブラジルのリオの真南、1400キロの海上なのである。

 この自由落下時間というか、移動時間は高校物理程度で計算できるが、計算すると約20分。重力にただ乗りなので、燃料費はゼロとすばらしい。

 この原理を使った乗り物が、先にこのブログでも取り上げた

 公開中の映画、新「トータル・リコール」

に「ザ・フォール」という名で登場する( 写真。ただし、上下逆さまにしてある )。この映画では、イギリス付近にあるらしい富裕層が暮らす「ブリテン連邦」と、オーストラリア付近にあるらしい労働者が暮らす世界、コロニーに地球の人々は分断されていると設定されている。

  Image8892_2 この分断された二つの世界をつなぐ巨大エレベーターがフォールで、労働者は、毎日17分かけて、ブリテン連邦に通勤する。当然だが、地球中心では、すべての力がつりあって無重力状態になる。ここで上下が反転する。上と思っていたものが下に、今まで床だったものが、天井になるのだ。なかなか物理的にはよくできた設定になっていた。

 フォールとは、自由落下(フリー・フォール)からつけたのだろう、と映画を見ていたときに気づいた。

 映画はSFなのだが、この発想をドキュメンタリーとして描いたのが、

 「逆さまの地球」

という作品。先日深夜、NHK総合テレビで再放送されていた。なんでも、ドキュメンタリーの大家、ビクトル・コサコフスキー( ロシア )とNHKの共同制作らしい。

 上海の中心部の人ごみの真下には、アルゼンチンの荒野がある。ハワイの人気のない溶岩地帯の真後ろにはアフリカ南部、ボツワナの野生動物の群れが生息していたといった具合に映像を、それこそぐるぐる回転しながらつないでいた。

 だから、じっと見ていると、目が回りそうになった。とても不思議な作品だった。

 地球は丸いのだから、地表の営みを地球の中心から眺めるとどういうことになるかという発想は、SFにしろ、ドキュメンタリーにしろ面白いと思った。

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