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金星の太陽面〝通過〟でわかったこと

(2012.06.06)  聞くのと、実際に見るのとは大違い、ということを今回の金星の太陽面通過を実際に観察してみて、思い知った。先月の金環食に使った日食メガネ( 写真 )で太陽面を眺めたのだが、どうしても金星を見つけることができなかった。金星と言えば、夕方、「宵の明星」として、よく知られた明るい惑星なのに-。

 Image617 国立天文台によると、日本中のどこからでも、午後1時ごろまでなら、晴れていさえすれば、明るく輝く太陽面を小さな金星が黒い点となってゆっくり、太陽面を左上(東側)から右下に向かって通過するはずだった。

 ブログ子の暮らす浜松では正午近くから晴れ始めたので、のぞいてみた。しかし、いくら探しても、黒い点など見えない。予想進路に沿って何度目を凝らしても見えない。おかしい。

 ブログ子は、メガネをかけたときでも(矯正)視力は0.5ぐらいしかない。これが原因かもしれないと、少し計算してみた。

 太陽の見かけの直径(視直径という)は、32′(1′は角度1°の60分の1)。金星のそれは1′。つまり、金星の見かけの大きさは、なんと太陽の32分の1しかない。太陽面の大きさに比べたら、ゴマ粒だ。これではよほど注意しないと見落としそうだ。

 たとえば、視力1.0の人は、この金星の見かけの大きさ1′を見分けることができるだろうか。計算してみた。

 視力1.0という識別能力は、5メートル離れたところに置かれた視力表のうち、1.5ミリメートルの間隔を認知できるかどうかというものだ(いわゆるランドル環の場合)。その解像度を角度(いわゆる弧度法)にすると、

 視力1.0とは、解像度  = 0.00030(ラジアン)の識別能力があることを意味する。

  これに対し、金星の見かけの大きさ1′が識別できるには

 解像度    =  0.00029(ラジアン)の識別能力が必要になる(360°= 2×円周率ラジアン)。

  これは、5メートル離れた視力表でいうと、1.45ミリ。視力1.0のときの識別能力1.5ミリにほぼ等しい。

 視力1.0の人でも今回の金星の太陽面通過を黒い点として確認するには、ぎりぎりなのだ。ましてや、広がりのある黒円にまでは見えないだろう ( 補遺 ) 。

 以上から、視力0.5程度のブログ子では、金星の通過を確認するのはそもそも無理ということがわかる。

 ただ、観察がまったく無意味であったわけではない。

 識別できないほど小さい金星に比べて、背面に輝く太陽はなんと大きいのだろう、という感慨を持てたことだ。見かけでこれだけ大きいのだから、金星よりかなり後ろある実際の太陽は金星に比べて、さらに大きいことになる。

 調べてみたら、見掛けの大きさ32倍に対して、実際の太陽の大きさは金星の100倍以上も大きいのだ。地球は金星と同じような大きさだから、

 金星の太陽面通過は、太陽がいかに大きいか、逆に言えば、太陽に比べて地球はいかに小さいか

ということが体感できたわけだ。

 その小さな地球の、そのまた小さな一角が日本だと思うと、毎日のこせこせした憂いや悲しみに一喜一憂している自分がいかにもバカらしく、小さくも思えてきた。

 太陽面を通過したはずなのに、見えなかった金星の〝観察〟から、そんなことを悟った。そう悟ったら、なんだか、人生、気が楽になった。

   補遺

  夜のテレビニュースでは、日食メガネで観察した小学生の多くは肉眼で

 黒い金星が(丸く)見えた

と答えている。ちょっと驚いたが、小学生は視力がいいのだろう。

 注記

 この金星の太陽面通過、次回は105年後の2117年12月。今回は今世紀最後の現象だった(知らなかったが、前回は2004年だったらしい)。

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