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廃炉順では発電所のつながりも考慮せよ

(2012.06.30)  電力会社の株主総会が一斉に開催されたこともあり、新聞各紙に「廃炉」の見出しがしばしば登場した一週間になった。

 6月29日付中日新聞朝刊には、 

 浜岡 即時廃炉に 超党派議員ら

という記事とともに、自民党の河野太郎氏など超党派の「原発ゼロの会」が全国の50基の原発の危険度の高さを点数化し、順序づけした結果を発表した( 写真 )。

 Image680 政治的な判断で即時廃炉とすべき原発は24基。プラントで重大な事故をすでに起こしているか、実際に大きな地震に襲われたことがあるか、その危険が差し迫っていると考えられているもの、敷地内に新たに活断層の可能性が高いものが見つかったもの、いわば〝問題児〟がリストアップされている。

 営業運転42年と最も古い敦賀原発1号機(活断層、日本原電)と2号機(25年)や、想定東海地震の震源地にある浜岡原発(3、4、5号機。1、2号機はすでに廃炉。運転差し止め訴訟中。中部電力)、東京電力の柏崎刈羽原発7基全部(2007年7月の新潟中越沖地震で被災、火災事故も。震源は原発からわずか10キロ。この被災で運転差し止め訴訟中)

 そのほか26基については、即時ではないものの、危険度が高いとして

 大飯原発1(33年)、2号機(32年)

  美浜原発1(41年)、3号機(34年)、(美浜2号機は事故歴があり、即時廃炉に分類)

を上位にランキングした。

 問題児の即時廃炉には、それなりの根拠があり、即時廃止した場合の電力事情への悪影響を別にすれば廃止自体は妥当であろう。

 原発依存をゼロにする道程で大事なことは、今回の大震災の教訓を生かした廃止順序を賢明に選択することだ。

 それは、避難圏内の30キロ以内に別の原発が存在する原発密集地域の原発密集を緩和することに資する順序を急ぐことだ。今回の事故も、この密集で近隣原発が、原発職員の避難で、あわや原発がコントロール不能に陥り、首都圏3000万人が避難しなければならなくなるという最悪のシナリオが現実味を持って考えられてきた。

 原発の密集は国を滅ぼす

というのは、今回の事故を民間の立場でまとめた独立検証委員会の北澤宏一委員長の指摘である。

 だから、福井県若狭地方に15基という密集度は異常である。ここの4カ所の原子力発電所の30キロ圏内をつないでいくと、一つのエリアとしてつながっている。つまり、避難と原子炉コントロール不能が次々と繰り返されるドミノ倒しが起きる可能性があるのだ。

 そこで、廃炉では、互いに30キロ圏内にある高浜原発と大飯原発のどちらかを完全に廃止する。あるいは、これまた互いに30キロ圏内にある美浜原発と敦賀原発のどちらかを完全に廃止する。この間引きで、いざというときに、原子力発電所同士がドミノ倒しのように連鎖してコントロール不能におちいり、近畿地方全体が避難しなければならなくなるという破局を避けるべきだ。

 要は、「ゼロの会」のように、個々の原発ごとの事情だけで廃炉にするのかどうかを評価するのではなく、原子力発電所の位置、つまりつながり具合も考えよ、ということだ。原子炉の制御不能というドミノ倒しにならないよう、間引きする工夫が大事である。

 福島事故の最悪を想定したシナリオの恐さは、福島第一、その南の福島第二、そして、その南の110万キロワットの出力能力をもつ原発4基をかかえる東海第二発電所へと、原子炉コントロール不能のドミノ倒しが続き、あわや首都圏3000万人避難という事態になりそうだったところにある。

 こうした考え方については、菅直人前首相ら民主党有志議員による「脱原発ロードマップを考える会」が最近まとめた

 2025年までに稼働原発ゼロ 菅前首相ら提言

という毎日新聞記事(2012年6月28日付朝刊。写真)

でも、なされていないのは残念である。菅前首相は事故当時の首相として、この福島事故の最悪シナリオづくりに関わったのだから、こうした視点がほしかった。

  記事によると、すぐに廃炉にするものとして、福島第一の5、6号機、同第二の1-4号機のすべて、女川の1-3号機すべて、浜岡3-5号機すべての合計12基を具体的に挙げている。

  Dsc00193 首都圏中心の、それも太平洋側のみの安全対策である。日本海側の安全対策は視野にないという恐さがある。いかにも東京都出身らしい菅氏の視野の狭さがあわれでさえある。40年の稼働で順次廃炉にするという原則はいいとして、まだしも、先の「脱原発ゼロの会」のほうが全国的な目配りがあり、ここで指摘した欠点はあるものの、しっかりしている。

  残りの原発の稼働については、できるだけ再稼働させないようにして13年後の2025年までにゼロにするという。この時点で、50基すべてを廃炉にするということを明記しているわけではないものの、このときまでに前提としている新エネルギーが総発電量に占める割合を4割までに高める、省エネは2割までに向上させるなど、ほぼ不可能。現在の新エネルギーは1%にも満たないからだ。

  このロードマップは、ほんの試みの案、たたき台としても机上の空論であることはいなめない。いかにもイライラ菅さんらしい性急さだ。

  第一、百歩譲って新エネルギー政策が順調に進んだとしても、2025年までに停止させた原発を、その後再稼働させずにどうするつもりか。うまい具合に営業運転から40年近くたっていれば、廃炉も仕方あるまい。しかし、まだ10年、20年と使える原子炉はどうするのか。これは大変な政治問題だろう。

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