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消費増税は国の税収増につながるか

(2012.05.30) 税と社会保障の一体改革で消費税率を現行の5%から、2年後に10%に引き上げる消費増税法案の衆院採決をめぐる動きが、会期末を目前にして山場を迎えている。

 増税に反対している小沢一郎元民主党代表がNHKの夜のニュース番組に出演、やらないと誓って政権を任されたのに増税をするのだから、その前にやるべきことがあるとして、反対の態度を明確にしていた。マニフェストでやると誓った年金改革など社会保障制度改革はいまだ法案すら国会に提出していない、大幅な補助金カットを含めた特殊法人改革や天下り制限など公約した公務員制度改革もまだほとんど進んでいない。

 これでは公党として嘘をついたことになる。国民の生活が第一を政策の中心に据えている小沢さんらしい。法案が成立すれば、国民は13兆円の負担増なのである。それらをまず、やってからだ。そういいたいのだろう。

 もっともである。だれも異論をさしはさめないような正論だ。だからこそ、党内復権を狙いNHKの夜の番組に出演したのだろう。

 嘘と言えば、マスメディアも随分と嘘をついている。

 たとえば。消費増税をすれば、国の一般会計の税収は増えるというのは嘘ではないか。ブログ子は、随分前からそう主張していた。

 ところが、なんと、というか、今ごろになって、「週刊ポスト」6月8日号の

 ニュースのことばは嘘をつく

という連載で、東京新聞・中日新聞論説副主幹が、これは歴史的にみて、嘘であることを、具体的にこの20年間の税収推移データ(財務省)のグラフを論より証拠とばかりに示して暴露している。

 1989年の竹下政権時代に消費税3%が導入された。1997年の橋本政権時代には現行の5%に引き上げられた。

 この間、税収は約60兆円からおしなべて右肩下がりで減少。最近では約40兆円で低下し、低迷している。消費税率をアップすれば、消費税の税収は、消費傾向がそれほど変化しないので当然、税率に比例して増加する。しかし、それに伴って、同様な基幹税である所得税や法人税の税収は減少する。消費税が景気を下押しするからだ。結果的に、税収は増えるどころか、減少し続けてきたのが現実なのだ。

 とすれば、野田総理が政治生命をかけて法案を成立させたとしても、税収はかえって減少するだろう。社会保障財政はますます苦しくなる。だから引き上げるとしても、景気が上向きになってからでないと税収増は望めない。 

 それでは、どうすればいいのか。当然だが、税収をアップするには、まず、経済成長を促す政策の実行が第一。政府は、2年前の菅政権時代に、名目で1%程度、実質で2%程度の成長戦略を大急ぎでまとめた。これをきちんと公約どおり実行するのが先なのだ。

 以上まとめて、わかりやすく言えば、消費税アップというブレーキと、成長戦略というアクセルを同時に踏んではならないということだ。

 当たり前のことを粛々と順序立てて実行することが、実は遅いようで早い。そんなことを考えさせる解散など政局がらみの昨今ではある。

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