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テレビを消すという節電 新聞社の欺瞞

(2012.05.27) 前回のブログで哲学者をコケにした感想を述べたので、今回はブログ子のかかわるマスメディアの欺瞞について指摘してみたい。

 テレビや新聞は今夏の電力不足について、あれこれご託宣を並べているが、もっとも不足が懸念される真夏の日中、ごくごく簡単で、しかも効果的な策は、

 テレビを消す

ことだ。これは政府も電力会社も認めている。なぜテレビ局も新聞社も知らんぷりをしているのだろう。欺瞞である。

 先の政府の検証委員会の結論は、電力不足のもっとも懸念される関西電力で、真夏のもっとも暑い日中でせいぜい15%不足。そのため、政府は、隣接するわが管内の中部電力はじめ、中国電力、北陸電力に、いざという時に融通できるよう5%程度の節電を求めている。

 一方、「できることからお願いします」とうたった中部電力の広報パンフによると、全世帯平均で、

 夏の日中(午後2時ごろ)の消費電力の5%はテレビ

なのだ( 写真 )。パンフでは、資源エネルギー庁推計であり、この数値は最大需要発生時を想定したもの、とわざわざ断っている。

 Image570 パンフでは「ご家庭の電気消費の約半分がエアコン」といかにも、電力不足のエアコン犯人説を匂わせているが、テレビにも節電効果があることは認めている。

 ところが、一部の非新聞社系を除いてマスコミではこのことに知らんぷり。

 たとえば。

 2012年3月14日付朝日新聞「記者有論」で経済部の小森敦司記者は

 省エネの夏、(消費者も産業界も節電の)覚悟を決めよう

と呼びかけている。読んでみると、「ゆがんだ電力の供給構造を見直そうともせず、経済成長できたとしても、そんな日本を誇れるだろうか」といっぱし、憂いてみせたものの、一番簡単なテレビを消そうなどと一言も言及していない。

 あまつさえ、2012年5月11日付朝日新聞社説は、

 電力供給検証 全国で節電していこう

と主張している。ここでも、空調や照明やら、コンピューターうんぬんと節電事例を挙げているが、もっとも簡単なテレビについては、知らんぷりを決め込んでいる。なんという偽善なのだろう。

 わしは節電しないが、お前たちは節電しろ

と言っているのに等しい。偽善というよりも、傲慢すぎよう。

 さらに具体的に言えば、もっとも電力不足が懸念されているのは、朝日新聞社主催の「夏の甲子園」決勝戦前後、8月中旬、下旬だ。エアコンをガンガンつけての日中のテレビ観戦をやめて、テレビを消そうと呼びかければ、今夏の電力不足は一挙に解消する。これほど簡単な対策は、まあないだろう。甲子園を管内とする関西電力としては、大助かりなのだ。

 それを知りながら、知らんぷり。大手新聞社の偽善、というよりもこれほど欺まんに満ちた社説も珍しい。

 この社説は「信頼回復のためにも、(電力会社は)全社をあげて(節電に)取り組むべきだ」と結んでいる。天下の朝日新聞社も全力をあげて節電に欺瞞抜きで取り組むべきだ。

  呼びかけることで視聴率は落ちるかもしれないが、原発事故で地に落ちた新聞社の信頼は、大きく回復するだろう。 

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